ブラックホールが地球に接近したら。

ブラックホールが地球に接近したらどのような現象が起きるのだろうか。

地球に接近した瞬間に全て吸い込まれて消滅してしまうというシナリオが浮かび上がるが、実際に接近を体感するとしたらどのような現象が起きるのだろうか。

そんな無数に存在する天体が地球に接近する可能性は0ではないどころか、むしろ接近しないと断言することが不可能である以上、いつかブラックホールが地球に近づく可能性は高いといえるだろう。

ブラックホールが太陽系に接近した場合、太陽系の惑星は太陽だけでなくブラックホールの重力の影響も受けることになる。それぞれの重力が等しい距離に位置する惑星では軌道が歪み、ブラックホールがさらに接近してその重力の影響を強く受けると惑星は太陽系の軌道を外れてブラックホールの周辺を周る惑星になると考えられている。

これを地球に当てはめると、ブラックホールが太陽と等しい距離に接近した場合には地球の受ける潮汐力は月から受ける潮汐力の5倍になると考えられ、その半分の距離まで接近した場合には月の潮汐力の40倍にもなり、海抜の低い地域は水没するとされている。

そして地球とブラックホールの距離が1100万km(月までの距離と同じ)の場合には地球とブラックホールの重力が等しくなって地球上は無重力状態になり(距離に関してはブラックホールの大きさにも左右される)、ほんのわずかな間だけ無重力になった後にブラックホールの重力によって引き裂かれてしまう。

人間が生存可能なのは無重力になる前までと見られ、最後に見る光景は重力が崩壊して天変地異を起こす地球ということになるだろう。