月は空に浮かんでいるだけではないかもしれない。
日本の月探査衛星かぐやの調査によると、これまでは単なる岩石の塊であると考えられていた月の内部には今でも熱源があり、これまで一般的な根拠となっていたアポロ計画での調査結果が覆ることになった可能性が高い。
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詳細な月の調査で、月の直径は地球からの引力の影響を受けて数cm伸縮していることが判明。仮に月全体が岩石によって構成されていた場合にはその伸縮幅はさらに少ないはずだと考えられ、伸縮の原因となる軟らかい岩石(溶岩)が内部に存在することが原因となって数cmの伸縮を可能にしているという。
これまで月の内部に溶岩(マントル)は存在しないとされていたのだが、今回の調査で直径1700kmの内1400kmは溶岩で構成されている可能性が高いことが判明。
月が今でも内部に熱源を残していた場合に考えられる原因は地球の引力である。月が地球の周りを移動する軌道は真円ではなく楕円形(最も地球に接近する場合は地球から35万kmで最も遠ざかる場合は40万km)なので、位置によって地球から受ける引力の量に違いが生まれる。地球に近づくときには引力によって地球に引き寄せられるために若干楕円形に歪み、離れた際には元の形に戻る(これが先述した収縮の正体)。その伸縮によって月の内部に摩擦が発生して多くの熱を生み出した結果が今回の熱源である可能性が高いのだ。
月は地球と同じようにまだまだ謎だらけなのだ。
