空に浮かんでいる月を見ると地球との違いを感じることがある。空に浮かんでいる月を見ると地球との違いを感じることがある。
太陽の光を反射して黄色く光るその姿はとても美しいのだが、実際の月は地球のように青くない。まるで殺風景な岩石に星全体が覆われたような光景で、月面着陸を果たした際の映像からも明らかに不毛な地であると想像できる。
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そんなこともあって、月はすでに死んでしまった物静かな天体というイメージが強い。しかし、その考えが覆されるかもしれない発見が相次いでいることを知っているだろうか。月は数億年前に活動を終えた天体である。これは最近まで一般的だった学説だ。
その根拠は、月に水が存在しなかったと考えられてきたためで、水が存在しないので生命誕生の痕跡も存在しないという至極当然そんな説一般的だったのだが、そんな説が覆されるかもしれない発見があったことはあまり知られていない。
2009年10月、NASAの観測衛星エルクロスが月の南極付近に観測器を衝突させたところ、舞い上がったチリの中に水蒸気が含まれていることを確認した。2010年には更なる詳細を発表し、それによると、月の表面には氷という形で水が存在するだけでなく、ガスやチリの中にはサハラ砂漠よりも多くの水分が含まれているという。
月の内部には豊富な水が現存する可能性もあり、月は地球と同じように生きた星であると判明したのだ。
月が地球のような生きた星である理由はもう1つある。月震の存在だ。
月震とは地球の地震と同じ現象で、アポロ計画の際に月に設置された地震計によって8年間10ヶ月の間地震観測を行い、その間1255回の月震を記録している。800~1000km地下の深い場所で発生するマグニチュード1~2の月震は地球や太陽による潮汐力が原因で、300km地下の浅い場所で発生する月震はマグニチュード3~4の強めの揺れで、こちらの原因は判明していない。一説によると月の内部で何らかの活動があり、それが強い月震を誘発しているのではないかと考えられている。
ちなみに、月は10億年前に火山活動が停止したとされてきたが、最新の調査によって、マントル最深部は今でも高温を保って軟らかいことも判明している。月の内部が躍動する理由も先述したように地球の引力が関係している可能性が指摘されていて、月と地球の関係を知る重要な手掛かりになろうとしている。
空に浮かぶ不毛な衛生。実は地球と同じように生きた星なのだ。