日本は世界有数の火山大国で、最近も各地で噴火や地震が相次いでいる。
火山の脅威が身近に感じられるようになっている今、我々が想像する火山は噴煙を上げた山や火口であり、山から吹き出す溶岩がとても危険であると感じている人は多いだろうが、実際に最も危険な現象は溶岩だけではない。
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巨大な噴石
噴石とは火山の噴火によって火口から飛び出てくる直径50cm以上の大きな岩石のことで、風邪の影響をほとんど受けずに弾道を描いて落下して来る。噴火の規模にもよるがその飛距離はおおよそ半径4km以内に限られてくる。
近隣のに建物があっても殆どは落下する噴石によって貫通されてしまう。
火砕流
日本では雲仙普賢岳噴火の教訓から、火山の噴火において最も危険な現象とされているのがこの火砕流。
火砕流の主成分は溶岩ではなく、空気・水蒸気・火山ガスによって構成されていて、遠くから観測すると煙が移動しているように見えるが実際には時速100km以上のスピードが出ることもあり、気象庁でも火砕流に巻き込まれたら身を守ることは不可能としている。
融雪型火泥流
火砕流や噴石と違ってあまり聞き慣れない名称である融雪型火泥流は、雪が降り積もった火山で起きる雪崩のような現象で、溶けた雪と共に火砕流・土砂・多くの水が流れ出て、時速は60kmを超える。
谷や沢をつたって遠方まで流れ出るので、その被害は広範囲(道路や畑の埋没も含む)に及ぶ。
火山灰と噴石
仮に火山が噴火した場合、最も多くの人に影響を与えるのが火山灰。小さな噴石の内で直径が2mm以上を小さな噴石(火山れき)、それ以下の大きさのものが火山灰と定義されている。
小さな噴石は火山から10km以上離れた場所まで飛散することもあるが、地表へ到達するまで時間がかかることや石自体が大きくないことから、屋内へ避難することで身を守ることは十分に可能だ。
火山灰は火口から100km以上離れた場所まで飛散することは珍しくなく、堆積することで重みが増し家屋や農作物にダメージを与える。現代ではコンピューターや航空機に影響を与えることで知られ、最悪の場合には金融機関のデータが失われてしまうのではないかと指摘され、命の危機は少ないものの社会的影響は最も大きいと考えられている。
火山ガス
マグマの中に溶け込んでいる水蒸気・二酸化硫黄・二酸化炭素・硫化水素を主な成分としたガスが放出される現象で、成分によっては人間にとって極めて有害になる。
火山の噴火によって発生するこれらの現象。昨今火山の活発な活動が見られる日本に住む我々にとって身近な出来事だ。