宇宙の始まりはビックバンという強大なエネルギーの爆発であると考えられている。
実際に強大なエネルギーと表現してもそれがどれほどのものであるのかは想像もつかないのだが、仮に1兆度の高温状であったと表現された場合はどうだろうか。
宇宙の始まった瞬間、それは宇宙の歴史上最も高温だった瞬間なのだ。
スポンサードリンク
宇宙に満たされていた真空エネルギーが膨大な熱エネルギーへと変換されてビックバンが起こった。つまり原始の宇宙は灼熱の火の玉のような状態で、人間の想像を絶するような超高温・超高密度の状態から膨張を続けるにつれて徐々にその温度を下げていった。
ビッグバンの発生から10万分の1秒後には100億度に、1秒後には10億度、1年後には300万度、10万年後には3000度になり、現在(120億年後)には3度にまで低下している。
ビックバン発生の瞬間には1兆度の温度であったと考えられている。1兆度というのは、あらゆる物質を構成する原始すらも存在できないだけでなく、原子を構成している原子核と電子、それを構成する陽子や中性子も存在することは出来ない。
唯一存在することが可能であったとされているのはクォーツという素粒子であり、原子の宇宙には素粒子が飛び交っていたと考えられている。
仮に直径1mの1兆度の物体が地球に落としたとしたら、いとも簡単に地球に穴が開いて崩壊するだけでなく、地球上の生物や文明は一瞬にしてその存在が消え去ることになる程だ。
僅か10万分の1秒。しかし、確かに1兆度という超高温は自然界で存在したのだ。