宇宙で最も危険で神秘的な天体ブラックホール。
まるで空間に穴が開いたような漆黒の穴は全てを吸い込み、宇宙の脅威の代名詞となっている。しかし、このブラックホールは存在を実証する確固たる証拠が出ていない。一説には存在しないのではないかとされているのだ。
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質量の大きな星が年を取ると構成物質である水素が無くなり、中心核が元素を融合して徐々に重くなっていく、最終的に融合出来る物質が無くなり中心核が鉄になり崩壊する。この崩壊が超新星爆発で、外装を破壊しながら中心核がさらに圧縮される。
この時崩壊した恒星が持っていた鉄の核の質量が太陽の約3倍の質量だった場合にブラックホールが誕生するとされている。
しかし、現在までにブラックホールの存在を確認した記録は無い。その理由は直径数kmしかないと考えられていることや、光を自ら発しないだけでなく周辺の光を取り込んで反射しないことが原因で観測困難とされているからだ。
つまりブラックホールは机上の空論であり、存在自体が不確実な天体なのだ。
ブラックホールの存在を確信する学者たちは、ブラックホールの直前(事象の地平面の直前)で周囲のエネルギーによってはじき出されたクェーサーの存在を観測したことからその存在を確実視している。
一方でブラックホールは存在しないのではないかという説を提唱する学者達も存在する。2007年にアメリカの学者達が発表した説は、超新星爆発に至る過程で物質が大量に流出してしまうために残った中心核の重力は十分にはならない、そのためブラックホールにはなり得ないというものである。しかし、外側から観測した場合にはブラックホールに似たような特徴(大きな重力の痕跡)がいくつか表れるためにブラックホールと見間違う場合があるが、あくまでブラックホールは存在していないという。
人間がブラックホールを観測できる日は来るのだろうか、それともブラックホールは存在しないのか。