Byleth 24553 知恵のある悪魔、オロバス・ベレト・ボティス!
現代では知識や知恵は良いものという認識がある。

知識が無いよりはある方が良く、知恵が無いよりはある方が良い。これは至極当然で反論の余地が全く無い程の正論に聞こえるが、かつてキリスト教世界においては必ずしも知識と知恵は良いものとして考えられて居なかった。

そんなキリスト教世界では知識と知恵は悪魔独特の特徴として広められていた。

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かつてキリスト教が知識や知恵を必ずしも良いものとして扱わなかった理由は、旧約聖書創世記に登場するアダムとイブの物語である。

アダムとイブは「知恵の木の実」を食べて知恵を得たことが原因でエデンの園を追放された。この物語が原因となり、キリスト教にとって知恵(知識)は悪であり、人間の本質は無垢であることが良しとされてきた。

時が経つにつれて知恵や知識はある種の悪と考えられるようになり、そこに悪魔を重ねるようになった。

知恵のある悪魔は数種類存在するのだが、中でも最も頭が良いと考えられている悪魔はオロバスという頭が馬のような見た目をした悪魔である。オロバスの持つ知識は実に豊富で、過去・現在・未来の出来事を知り尽くしているだけでなく、神についての知識や世界創生の本質を理解していると伝えられている。
054058 orobas 知恵のある悪魔、オロバス・ベレト・ボティス!

他にはベレトと呼ばれる赤い服に身を包んだ姿で描かれる悪魔も存在する。ベレトはオロバスのようにあらゆる時代の知識だけでなく、あらゆる金属を黄金に変える術を知っていたとされている。このため歴史上の錬金術師たちはベレトを深く崇拝したと伝えられている。
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ボティス
という悪魔は毒蛇の姿で描かれ(そのためイブを唆した蛇と同一視される場合もある)、前者と同じようにあらゆる時代の知識を持っていたという。
demon80 botis jpg w300h400 知恵のある悪魔、オロバス・ベレト・ボティス!
キリスト教で悪魔と知恵(知識)が共通している理由は先述した通りで、知恵や知識が神の領域に達するものだと考えられていたのだろう。