古代エジプトの壁画をはじめとして、世界中に存在する壁画。
それらは当時の人々の生活や神話、さらには使用していた文字に至るまで様々な事柄が描かれているのだが、中には実に奇妙な壁画も存在する。
それは通称恐竜壁画と呼ばれるもので、北米大陸に存在する謎多き壁画である。
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1879年にアリゾナ州のハヴァイスパイ渓谷で発見された恐竜壁画はネイティブアメリカンによって描かれたもであり、周辺の他の壁画に描かれた動物は我々のよく知る動物であったが恐竜壁画に描かれている動物だけはその正体がわからないままだった。
1924年にオークランドの博物館長サミュエル・ハバードは描かれた恐竜はディプロドクスであると考え、尾で体を支えながら身を起こす瞬間を描いたものであると推測した。
つまり、ネイティブアメリカンたちが生きた恐竜を見たうえで描いたというのだ。
ディプロドクスはジュラ紀後期に現在の北米大陸に生息していた体長20~35m前後の首長竜である。
壁画を鑑定した結果、壁画が描かれたのは紀元前10000年~15000年前の時代と判明した(恐竜が地球から姿を消したのは6500万年前である)。
同じような壁画として発見されたユタ州で1000年前にアナサジ族が描いた壁画にはアパトサウルスのような動物が描かれ、カナダで発見された壁画にはステゴサウルスのようなものが描かれていた。
これら恐竜のようなものの正体はわかっていないが、一部には恐竜が10000年前まで生きていた証拠であると指摘する者もいる。
今では、恐竜の骨を見つけた原住民たちは現在のような知識が無いために既存の動物と混同してその姿を描いたとする説や、何かの地図のようなものではないかとする説も存在する(仮にに壁画の動物がカメレオンであると聞いた場合には妙に納得できるほどカメレオンに似ている)。
人間と恐竜が共存した時代があるとすればロマンがあるが、そうなればこれだけの種類の恐竜がわずか10000年の間に絶滅したことになるだけでなく、過酷な氷河期を耐えて生き残ったことにもなる。
残念ながら実際に恐竜が人間と共存していたとは考えにくいが、可能性は0ではないかもしれない。