月は乾燥した水も何もない不毛の衛星である、というのは一昔も前の説なのだ。
1998年~1999年にかけてNASAが送り込んだ探査機による調査(ルナ・プロスペクター)では水の存在を明らかにすることが出来なかったが、2009年に各国が行った調査で月に水が存在する証拠が発見されているのだ。
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2009年に行われた調査の結果、なんと月に水が存在する証拠がいくつも発見されたのだ。
月には太陽の光が当たる場所(昼側)と太陽の光が当たらない場所(夜側)があり、昼側の場所で水の存在を表す波長の光が観測されている。これは月の砂の酸素原子(O)が太陽から飛来する水素イオン(H)と結びついて水になっている証拠であることが判明した。
しかし、月の昼側の表面は110°にもなることや、生成される水は極少量であると考えられていることから、人類に必要な水を確保するには少ないのではないかという指摘がある。
また、月の南極部分のクレーターには氷が存在することも確認されている。この地域には永久影と呼ばれる太陽の光が当たらない部分が存在し、気温は-170°~-238°にもなることから氷が溶けることなく存在しているのではないかと指摘されてきた。
NASAはその地点にロケットを衝突させて観測を行った結果、舞い上がった塵の中に含まれる氷や水蒸気が発見され、2010年には北極付近で6億トンの氷が発見されている(1カ所に纏まって存在するわけでは無く、無数に存在するクレーターにそれぞれ氷が存在する)。
仮にこれだけの水を有効活用することが出来れば人類の月面での滞在時間延長などの多くの用途に有効であると考えられている。
人類が月に進出できる可能性は比較的高いだろう。