ゴキブリの生命力は人間なぞ比べ物にならない程優れているという事実。
実際にその生命力は脅威で、水さえあれば生きていくことが出来る・どんなものでも餌に出来る・35分間ノーストップで移動できるなど挙げていけば切りが無い。
その驚異的な生命力にのみ目が奪われがちだが、なぜゴキブリがこれほどの生命力を持っているのかという点はあまり知られていない。
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その正体はブラッタバクテリウムと呼ばれる1億4000万年前からゴキブリと共に共生してきた細菌である。
ブラッタバクテリウムはゴキブリの体に共生しているだけでなく、体内の老廃物を生命活動に必要な必須アミノ酸やビタミンなどの物質に変える働きがあり、本来ならば体外に排出されるはずの老廃物をリサイクルすることで驚異的な燃費の維持を可能としている(ゴキブリは排尿しない)。当然このサイクルは永久機関というわけにはいかず、ゴキブリはある程度のエネルギーを外部から確保する必要があるのだが、それでも人間に比べればいかに生存に適しているかがわかるだろう。
ちなみにゴキブリは窒素を体内に貯蔵することも出来る(窒素はタンパク質やアミノ酸などの生成に欠かせない物質)。そのため仮に半年間窒素を取り込まなくても生命活動を維持出来る。
またこのブラッタバクテリウムは、人間に猛威を振るう抗生物質に耐性を持つ菌に対する免疫としても働く(本来ゴキブリは人間のような免疫を持っていないが、このようにあらゆる菌が効かないという点で最も清潔な生物と考えられるだろう)ため、人間よりもはるかに病気にも強いのだ。
これらを聞くとゴキブリは直接的な打撃や殺虫スプレーなどの手段でなければ死なないと思えるが、意外なことに体の表面に付いている油(光っている部分)に洗剤をかけると窒息死してしまう(水は油で弾けるが洗剤は機関に侵入するため)。
ゴキブリの生命力は意外にもゴキブリ以外の存在によって支えられているのだ。