レアアースや燃料などといった人類にとって必要不可欠である資源。
地中や海底などから日々多くの資源が採掘され、地球上での資源枯渇が叫ばれる時代となって現在。どうやら人類は新たな資源獲得先として宇宙に目を向け始めたようだ。
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人間が文明や生活を維持するために使っている資源は地球上に既存のもので、その多くを地中から採掘し、一部では海底からも採掘している。
このように地球上の資源がどんどん消費されているのだが、以前から多くの人々に懸念されていたことがある。資源の枯渇である。
このまま地球上の資源を使い続ければ近い将来に資源が枯渇し、深刻なエネルギー不足をもたらすことが懸念されてきた(これには多くの反論も存在し、現時点で地球上で人類の技術を使って資源採掘出来る範囲は限定的で、技術が進歩すればさらに資源採掘出来る範囲は広がると考えられるため、懸念するのは時期尚早だとする考えもある)。
そこで、ベンチャー企業などの一部の人間が新たな資源を確保する場所として、地中でもなく海底でもなく、宇宙をその舞台と想定し、新たな投資先として注目が集まっている。
これはNASAが計画している火星移住計画から派生した考えであり、他の惑星に行ける技術を応用すれば小惑星などの天体に着陸することも技術的には可能で、さらに小惑星の資源を採掘できるのではないかという発想だ。
仮に実現したとすれば小惑星1つだけでも人類が使用する数百年分の資源を確保できる可能性もあり(対象の小惑星に存在する特定の物質に限った場合)、人類が近い将来直面するであろう深刻なエネルギー不足や資源不足を補うには十分で、宇宙ビジネスの新たな形としても注目されている。
この計画の最大の懸念材料は、資源となる小惑星を発見することでもそこに着陸することでも資源の採掘手段でもない。
それは小惑星で資源を確保した後の輸送手段である。
地球で資源が継続的に採掘出来ている理由は、一定量の資源を世界中に運搬可能な技術(車両や船舶)を有しているからである。
一方の宇宙ではそのような技術は無く、現時点では小惑星の塵を運ぶのが精一杯だ。
また宇宙に行くことのできる人数は決して多くなく、宇宙船も燃費や技術の観点から巨大なものは作れない可能性が高い。それらの前提を考えると宇宙から資源を持ち帰ろうとすることは不可能なようにも感じる。
しかし、文明や技術は時として驚くほどの発展を遂げることも事実である。
かつて人間が月に行くことが出来ると考える人はいなかったように、今後の技術の進歩の可能性は未知数であり、宇宙のゴールドラッシュと呼ばれる時代が、スペースラッシュ時代がやってくるかもしれない。