死後の世界を信じる人間にとって天国や地獄は後に自身が住む世界として興味が尽きないだろう。
人間が死んだ場合に行くとされているあの世の1つが地獄であり、その長い刑期や悲惨な刑罰など想像を絶する場所である。
しかしあの世はあの世であっても天国でも地獄でもない場所が存在すると信じられている。
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この場所には死んだ人間たちが行くのだが、正確には死んだ人間の中でも幼くしてあの世に渡ることになった子供達が訪れる。
子供たちは三途に川を渡ってあの世に渡ることが許されず、早くしてこの世を去ることになってしまった罪を償うために賽の河原で小石を積み上げる刑罰を受けることになるとされている。河原で石を集めながら現世の肉親を思いながら回向(えこう)の塔を作るのだが、塔が完成する直前に鬼がやってきてその塔を壊してしまうとされ、報われることのない努力を課せられる場所とされている。
このように聞けば子供たちが永遠に不幸な目に合う悲惨な場所のように感じるが、苦行を続けていればやがて地蔵菩薩が現れて子供達を救うとされている。
仏教においては「命を落とすこと」そのものが罪であると考えられているため、仮に他人に命を奪われた場合でも罪となる理不尽な教えがある(賽の河原は仏教の世界観に日本独自の言い伝えが重なる形で誕生した概念である)。
また日本各地には、賽の河原の概念が由来となった子供たちを供養することを目的とした回向の塔が存在し、その意味を知らない人間が見ればいったい何のために存在するかわからない奇妙な場所がある。