人間が現在ほど宇宙に関する知識を持ち合わせていなかった時代、周囲の星々を観測した天文学者の他に、星の位置関係などで占いをする占星術師たちが存在した。
占星術師たちは夜空に浮かぶ星に特別な意味を見出した。
惑星や黄道12星座にはそれぞれ悪魔が存在するという考えを生み出したのだ。
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太陽系の惑星を動かす者達として
月=スケドバルスケモス
水星=タフタルタラド
金星=ケデメル
火星=バルバゼル
木星=ヒスマエル
土星=ザゼル
太陽=ソラト
というのが占星術師が考えた太陽系を動かす者達の名前で、霊的な存在とされたり天使や悪魔のような存在とされることもあった。
15世紀にドイツで生まれたコーネリアス・アグリッパという占星術師(魔術師や錬金術師でもあった)は黄道12星座に霊的な存在がいると提唱した。
白羊宮=牡羊座=マルキダニエル
金牛宮=牡牛座=アスモデル
双子宮=双子座=アムブリエル
巨蟹宮=蟹座 =ムリエル
獅子宮=獅子座=ウェルキエル
処女宮=乙女座=ハマリエル
天秤宮=天秤座=ズリエル
天蠍宮=蠍座 =バルビエル
人馬宮=射手座=アドナキエル
磨羯宮=山羊座=ハナエル
宝瓶宮=水瓶座=ガムビエル
双魚宮=双子座=バキエル
これらアグリッパの考えだした霊的な存在は、エルの名を持つことから天使であったとされているが、後に堕天して悪魔となった。つまり黄道12星座にはそれぞれ悪魔がいると考えられていたのだ。
古代占星術師の間で最も忌み嫌われていた星はペルセウス座の連星アルゴルである。
アルゴルはペルセウスの持つメデューサの首の位置に輝く星で、その不吉な印象から「悪魔の星」と呼ばれていた。
ヘブライ語でロシュ・ハ・サタン(サタンの首)と呼ばれた。
食変光星という明るさが変化する現象が存在する星でもあるため、なお不吉と考えられた。
夜空に何気なく存在する星々。人間は神秘的な存在に不思議な感覚を覚えたのだろう。