春から夏にかけての時期、日本中で花粉症のために通院する人が増える。
花粉症の治療では一時的に症状を抑えることが目的の処方薬が使用されることが多い。また注射などによって根治を試みる治療も行われている。
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そんな花粉症治療に使われる新しい薬が認可され、治療に向けて可能性が見えてきた。厚生労働省の発表によると、スギ花粉の症状を抑える薬、しかも従来のような注射による治療でなく、ポリオワクチンの予防接種のような舐める薬として使用できる新薬が認可された。
新薬はスギ花粉の成分から作り出されたもので、これまで一般的であった錠剤を飲むものや注射による投薬ではなく、口の中の粘液に塗ることで体の中に吸収され、徐々にスギ花粉の成分によるアレルギー反応を減らすことが目的で、実際に臨床試験の結果として花粉症の症状を軽くする効果が報告された。
対象となる年齢は12歳以上で、治療の期間は3年近くかかる見込みとなる。
アレルギーの症状を緩和する経口減感作療法(徐々にアレルギー物質に体を慣れさせるもの)に近く、注射に比べて体への負担が少ないことから今後の普及が期待されている。
注射による投薬では副作用のリスクが大きいことが指摘されていて、花粉症を完治させるためとはいえリスクが大きいことから、あまり普及していなかった。
この新薬にもアナキラフィシーショックを伴う副作用を引き起こす可能性があり、使用の際には医師の指導の下で適切な服用が求められる。
これまでは完治が不可能といわれていた花粉症でさえ新薬の開発によって根治の目途が立ってきた。新薬の研究が進めば花粉症は風邪と同じように気軽に病院に行けば治る病気になるかもしれない。