ffgsg1 起業しにくい国、日本。起業しやすさ世界120位!浮き彫りになる実態。
2013年、世界の起業しやすい国のランキングが発表されていた。

起業という単語は日本ではあまり聞き慣れないが、どうやら欧米各国では珍しい言葉ではないようだ。

このランキングは日本浮上のきっかけを教えてくれるものと同時に日本の制度の在り方に疑問を投げかけるきっかけになるだろう。

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世界の起業しやすい国ランキングは世界銀行Doing Businessが世界中の189の国と地域を対象として調査を実施し、起業のしやすさや、ビジネスの行いやすさなどの項目を総合的にランキング化したもので、日本は総合ランキング27位に位置しているものの、起業のしやすさという点では世界120位税金の負担などのリスク面では世界140位と起業のしやすさや維持が非常に困難な国であることが明らかになった。
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総合ランキングは

1 シンガポール
2 香港
3 ニュージーランド
4 アメリカ
5 デンマーク
7 マレーシア
8 韓国
9 グルジア
10 イギリス

27 日本

などの国が並んでいる。

ちなみに起業のしやすさとして日本の上(119位)につけているのはアフリカのタンザニア共和国。日本は税金などのランキング以外でタンザニアとは比較にならない程上位に位置しているが、それでも先進各国に比べれば比較的低い順位である。

日本が起業に向いていない社会であるということはこれまでにも指摘されてきた。

起業が出来ない理由としては、日本人が日本で起業する場合に関しては失敗した際のリスクがあまりにも大きいからである。
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日本では雇用の流動性が皆無であることから、起業→被雇用→起業→被雇用というサイクルを実現させることは困難である。

つまり失敗した場合に再起する(再び資金を捻出しながら生活していく)ことが非常に難しのだ。成功の定義も曖昧であるが、起業のリスクが成功か失敗の五分五分(多少暴論であるが)と考えた場合、起業した人間の半分が失敗して再び安定した被雇用者という立場に戻ろうとするが、今度は被雇用者になれる確率すらも極端に少なくなる(日本では失敗した者を嫌う風潮がある)ということになる。

起業に失敗して生活資金や再起資金を調達する手段となる被雇用者の立場すら雲の上の存在となるリスクがあるとすれば、ある意味で起業の失敗は全てを失うということになりかねない(実際にはそのようなことは無いが、生活水準の低下や新しい労働環境に強いストレスを感じるためこのように感じることがほとんど)。

一方で、日本のような大企業ありき終身雇用ありき年功序列ありきの社会構造の中では、人間を雇う場合のリスク(人件費や社会保障など)が大きな負担となり、それを維持できない場合には派遣社員を雇う場合や、個人事業として経営を続ける場合も多く、結果的に世間で叫ばれる雇用の確保(あくまで正社員としての)という問題はほとんど改善されないという現状もある(そもそも企業は起業化家自身の為であるので、それもある意味で当然ではある)。

難しい点があるとすれば、起業家の増加による雇用の増加は多くの人が想像する雇用の増加とは対極的な位置関係にあるということだ。

リスクをかけることを嫌う起業家、手厚い保障と賃金を求める被雇用者という構造となっている。雇用の流動といえば聞こえは良いが、日本の労働感の象徴ともいえる年功序列と正反対のものなのだ。

大企業の雇用が減り、新たに起業した成功した人間もリスクを嫌い雇用を生み出さない。このため起業に失敗すれば職(収入源)が無いというサイクルになる。

起業のしやすさランキングで日本は世界120位であったが、仮にこの現状を打破する場合には上で述べたような雇用環境や社会構造にメスを入れることに繋がってしまう。

現在の日本が起業しやすい国になるには100年近くかかるかもしれない。

起業が容易で雇用が流動した国か、起業が困難で雇用が硬直しているものの手厚い(今後の見通しは不明)保障のある国か。

双方甲乙つけがたいものであるが、政治の力が必要と考えた場合には人口の大多数を占める労働者が支持するであろう現状維持の方向へと進むことは容易に予測出来る。

今後日本が起業しやすい国になるのは難しいかもしれない。