アフリカ西部で非常に珍しい日食が観測された。
「ハイブリッド日食」と呼ばれているこの現象は、別名、金環皆既日食と呼ばれ、「皆既日食」と「金環日食」が同時に観測できる非常に珍しい出来事である。
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部分日食はアメリカでも観測された。
日食には「皆既日食」「金環日食」「部分日食」の3種類が存在する。
皆既日食は、月の見かけ上の大きさが太陽よりも大きい状態で完全に重なった場合に起きる現象で、太陽全体が月に陰に隠れる。一般的に日食といった場合に多くの人がイメージするのがこの皆既日食である。
金環日食は、皆既日食とは逆に月の見かけ上の大きさが太陽の大きさよりも小さな場合に起きる現象で、太陽の外円部が月の外側に露出して金の環のようになる。
また、皆既日食と違い太陽の光が遮られているわけではないため、金環となった瞬間でも特殊なフィルムを通すか、ある程度厚い雲(太陽の光が遮られず、かつ光を通し過ぎないほどの微妙なもの)が無ければ観測は困難であることが多い。
肉眼で見るのはとても危険で、唯一肉眼で見れるのは雲という天然のフィルターを通した場合のみであり、日食の瞬間にちょうどいい雲が重ならなければならず、まさに運次第である(それでも肉眼での観測は避けた方が無難)。
↓2012年5月21日に茨城県潮来市で偶然撮影、
人工的なフィルターを通さず雲を通して撮影することに成功した金環日食
部分日食は、太陽と月が完全に重なっていない地域で観測できるもので、部分的に日食が起きるが太陽の光が強いために、特殊なフィルムを通さなければ日食を実感することも困難である。
そして今回観測されたのが、ハイブリッド日食こと「金環皆既日食」である。
これは、日食が移動する過程で月の見かけ上の大きさが変化することで皆既日食となる時間帯と部分日食の時間帯が現れる現象で、月の見かけ上の大きさが太陽とほぼ同じ大きさの皆既日食が起きることが大前提となる極めて珍しい現象である。
日本に次の日食がやってくるのは2016年3月9日の部分日食(全国で観測可能)、皆既日食は2030年6月1日に北海道で発生する。