偶然とは、
「何の因果関係もなく、予期しないことが起こること」
である。
私たちが何気なく過ごしている平凡な日常にも、
小さな偶然がたくさんある。
・偶然知人と会った
というのが代表的で身近な偶然と言えるが、
世界にはとても興味深い偶然が存在している。
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1950年3月1日
アメリカ合衆国 ネブラスカ州 ベアトリス
その日の夕方、その町にあるバプテスト教会での出来事。
聖歌隊の定期練習に集まるメンバーがいつもの時刻に集まるはずだったが…
・クレンペル牧師
7時半から始まる聖歌隊の練習にそなえて、暖炉に火をつけて一度家に帰った。
夕食を済ませ、妻と娘をつれ教会に戻ろうとしたとき、娘のドレスが汚れているの気づき、
着替えを待っていて、戻るのが遅くなった。
・高校生ラドンナ
いつもは早めに出かけるが、宿題に出された地理の問題に手間取り、その日は偶然遅れ
た。
・近所のメンバー、ロエナ
準備が出来ていたのに、何故か車のエンジンがかからず、ラドンナと一緒に教会へ行くこと
に遅れた
・レナード夫人
娘のスーザンといつもなら7時過ぎには教会に着くのだが、その晩は偶然母親の手伝いのた
め遅れてしまった。
・旋盤工ハーバート
重要な手紙を書いていて、出かける時間なのに、「どう書いていいか判らず」なかなか出
出かけなかった。
・速記者ジョイス
その日はとても寒い夜だったので、「単にけだるくて」暖かい家を離れられず、
ぐずぐずと出かけるのをためらっていました。
・技術者ハーベイ
妻が出かけていたので、二人の子供の面倒を見て、いつになく手間取り、出発時間に遅れ
た。
・指揮者ポール夫人
熟睡していたピアニストの娘がなかなか起きなかったので遅刻した。
・高校生ルシルとドロシー
お隣同士で一緒に出かける約束をしていたが、ルシルがどうしても最後まで聞きたい
ラジオ番組があるからと言って、二人とも7時半にでることにした。結果的にそれぞれが偶然、その日の聖歌隊の練習に遅刻した。
7時25分ごろ、バプテスト教会が爆発した。壁はあたりに消し飛び、屋根はすっかりバラバラになって散らばっていた。
しかし、本来そこに集まっていたはずの聖歌隊のメンバーは、
偶然の事情でみな遅刻し、誰も現場にはいなかったため、怪我人はいなかった。
消防隊は壊れたガス管から漏れたガスが教会に入り込み、暖炉の火に引火したのではないか、と考えた。
聖歌隊のメンバーは、事故の原因に心当たりは無かったが、
みなそれぞれに、自分たちの命が救われた偶然を想い、まさしくこれが
「神ご加護」
であったと考え、深く神に感謝の祈りを捧げたと言う。
いくつの偶然が重なったのだろうか。
世界にはこのような偶然が溢れているかもしれない。
もしかしたら今、私たちの目の前に起こるかもしれない。