世界的な名作ハリー・ポッター。その第1巻で名前が登場する人物の中にニコラス・フラメルという魔法使いが登場する。
実は、このニコラス・フラメルは単なる架空の人物ではなくそのモデルとなった人物が実在している。
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その名はニコラ・フラメル(フランス人である彼の名を正しく発音した場合にはこのようになる)。歴史上最も成功を収めた錬金術師だ。ニコラ・フラメルは14～15世紀のフランスに実在した錬金術師である(本業は代書人や出版者であった)。錬金術と聞けば魔法のような術を研究する者達という印象が強いが、実際には錬金術と魔法は全く違うものなのだ。
魔法とは超常的な力(自然界の法則を無視している)を使って奇跡のような現象を起こす術を表し。錬金術とは当時の科学に基づいて鉄や鉛を黄金に変えようと試みる術を表す。
ヨーロッパで行われていた錬金術の起源は古代エジプトにまで遡り、3世紀に記された古文書の中に錬金術に関する記述が存在する(錬金術の失敗によって判明した多くの事柄が現代の科学の礎となったという声も根強い)。
ニコラ・フラメルに関しては、錬金術の失敗とは無縁だったとされている。今となっては明らかとならない真相であるが、ユダヤ人から譲り受けたという錬金術書に記述に従い、3度も黄金の作成に成功しているという。数ある錬金術に関する記録の中には実に多くの失敗の記録が存在するものの、ニコラ・フラメルのように成功記録を残している錬金術師は少ない。
このような経緯からニコラ・フラメルは最も成功を収めた錬金術師として認識されるようになり、彼が住んでいた家は観光スポットにもなっている。しかし、ニコラ・フラメルがどのような手段で錬金術を成功させたのかは謎のままである。
近年新たに判明したこととして、代書人であった彼の筆跡を基に先述した錬金術の成功の記録を照らし合わせたところ、なんと錬金術成功の記述は17世紀になって書かれたものであることが判明したのだ。
これは誰かが代書人ニコラ・フラメルを錬金術師としてでっち上げた可能性を示唆するものであり、実際にはニコラ・フラメルという錬金術師は存在すらしていなかった可能性もあるのだ。
歴史上の人物は真実の姿をさらしていないのかもしれない。
