エクソシストという映画が世界的に有名になり一躍注目を浴びるようになった悪魔祓い。
人間に取り憑いた悪魔を説得によって追い出し、ローマ法王からも認められた悪魔祓い師のことをエクソシストといい、これまではカトリックの中でも高位の立場の聖職者だったのだが、どうやら現代では少しずつその立場を変えてきているようだ。
スポンサードリンク
現在のように医療が発達していなかった時代には全ての病気の根源は悪魔であると考えられていて、エクソシストは天使に祈りをささげて病気を治す民間療法を行う医師という位置付けであった。
その一方で医学では説明のつかない症状を見せる患者が悪魔祓いによって快方に向かった例もあり、実際に映画として公開されたエクソシストやエミリーローズは実際に起きた悪魔祓いがモデルになっている。
本来エクソシズム(悪魔祓い)とは制約を深く求める祈りといったような意味合いがあったのだが、次第に意味が狭くなっていきイエスの名において厳粛に呼びかけるという意味になった。
現代でもバチカンではエクソシストが養成されていて、悪魔祓いには教皇庁の許可が必要である。元ローマ法王であるヨハネ・パウロ2世も悪魔祓いを行ったと記録されているのだが、実際に悪魔祓いを行うには厳しい安全基準や医師の診断に加え、患者の生活環境等も厳しく調査したうえで実行が決定する。
近年はこのようにエクソシズムに対して医学的な見方も取り入れられるようになったのだが、エミリー・ローズのモデルとなったアンネリーゼ・ミシェルの事例では、悪魔祓いの途中で少女が衰弱死したとして両親とエクソシスト、そして悪魔祓いの許可を出した司教が有罪判決を受けた。裁判では悪魔祓いの詳細が録音されたテープが提出されたのだが。それでも医師の診察を受けさせる義務を怠ったとして保護責任を問われた。
かつては万病に対して悪魔祓いが行われ、その結果エクソシストの地位も上がった。
現代のエクソシストは、習慣や考え方の変化を我々に教えてくれる存在となっている。