「ハリー・ポッター」の作品タイトルになって有名になった賢者の石。
13世紀の時代、多くの錬金術師達が求めていた賢者の石は今の時代でも人々に不思議なロマンを与えている。
そんな賢者の石、かつては命がけで生み出そうとされてきたものなのだ。
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賢者の石さえ持てば一攫千金が可能になると考えられていた。そのために貴族等の上流階級は錬金術師達に対して賢者の石の研究費用を提供し、日々賢者の石の完成を待ち望んでいたのだが、それこそが錬金術師たちの巧妙な罠であったことが判明している。
賢者の石の研究は、神秘的な力に魅了されていた貴族達から研究資金の名目で資金を獲得するためにもってこいの口実だったのだ(実際には物質の共通原理を見出すために賢者の石が研究されていたこともある)。
本来賢者の石は触れる金属を黄金に変える物質なのだが、現在多くの人に知られている伝説には不老不死の元という話がセットとなることが多い。
この理由は16世紀のスイス人医師兼錬金術師であったパラケルススであると考えられている。言い伝えによると彼は賢者の石を所持し、あらゆる病に侵された人々を奇跡のような力で治療していたとされている。このあらゆる病気を完治させたという部分がいつしか不老不死として広まっていったのだろう。
なお、現在までに本物の賢者の石が存在していたという確固たる証拠は発見されていない。しかしその神秘性からか今も賢者の石を探す者達は後を絶たない。