日本から近くて遠い北朝鮮の平壌。
日本人は海外に行く際に、ガイドブックなどから事前情報を集めて学習し、現地の情報を知ること多いとされているが、めったに訪れる機会はないであろうこの平壌に行く機会があったとしたら、いったいどのような情報を目の当たりにするのだろうか。
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そんな興味深い記事がCNNに掲載された。
1.上質なビールが飲める
北朝鮮ではビール醸造が盛んで、地ビールで特に有名なのは首都平壌を流れる大同江(テドンガン)にちなんで名付けられた大同江ビールだ。2000年に北朝鮮の国営醸造所が英国の醸造所を買収し、平壌郊外に工場を建設。2年後に本格的な生産を開始した。
2.ハイヒールが人気北朝鮮の女性はハイヒールを愛用し、多くの女性が昼夜を問わず、10センチのヒールを履いて職場や買い物に出掛ける。中には軍や建設現場でハイヒールを履く女性もいる。
ウェッジソールも4、5年前に中国から入ってきている。今でも多くのウェッジソールを見かけるが、平壌では最近、細いヒールがマストなファッションアイテムとなっているようだ。
3.携帯電話の持ち込みが可能今年1月時点で、空港の売店で現地のSIMカードを購入すれば、持参した携帯電話で国際電話をかけたり、平壌にいる携帯電話を持った他の外国人に電話をかけたりすることができる。ただ北朝鮮の人々は別のネットワークを利用しているため、携帯電話で彼らに電話をかけることはできない。
4.北朝鮮人は歌が好き大半の北朝鮮人は歌が上手で、ポップミュージックなど歌詞のある曲が人気だ。今でも欧米の音楽グループの1番人気はビートルズで、セリーヌ・ディオンやカーペンターズも人気が高い。
地元の音楽グループで最も人気があるのは、女性5人組のユニット「牡丹峰( モランボン)楽団」で、メンバーの選考は金正恩(キムジョンウン)第1書記自ら行ったと見られる。
5.駐車場でバレーボールバレーボールは北朝鮮で最も人気のあるスポーツの1つで、人々は昼休みに駐車場などの広場で気軽にバレーボールを楽しむ。
6.地下鉄が非常に深い平壌の地下鉄は地下100メートルの深さにあり、エスカレーターで駅に降りるのに数分かかる。エスカレーターの周りの壁に広告は一切なく、ひたすら白い壁が続く。地下鉄は2路線で、17の駅が存在する。モスクワの地下鉄に倣い、多くの駅に凝ったシャンデリアや絵画が飾られている。
7.キムチが大好物キムチは北朝鮮の国民的な食べ物で、女性によって作るキムチの種類が異なると言われる。伝統的なキムチ作りは大変時間のかかる仕事で、女性たちはキャベツの葉にペースト状の唐辛子を塗ったり、かき混ぜたりする作業を数時間かけて行う。
8.一致結束北朝鮮の人々は幼少期から一列に並んで行進する訓練を開始し、10代になる頃には、数百人があっと言う間に等間隔の複数の列に整列できるようになる。
通りを歩く工場労働者も、金日成主席の銅像の下に花を手向けに集まる人々も、ジョギングをする兵士も、整列して「一致結束」を示さなければならない。平壌に1週間滞在すると、この整列の練習風景を頻繁に目にするだろう。
9.現地通貨「ウォン」は使えない北朝鮮の通貨はウォンだが、外国人旅行者は米ドル、ユーロ、人民元しか使えない。平壌市内のあちこちに青い屋根の市場があり、現地の人々は買い物の大半をそこで済ませるが、外国人の市場への立ち入りは禁じられている。また旅行者は原則としてデパートへの立ち入りも禁じられているが、こちらはさほど厳格に守られていない。
10.金バッジ北朝鮮では全ての国民が左胸に「金バッジ」を付けている。バッジには、故金日成(キムイルソン)主席か故金正日(キムジョンイル)総書記、あるいはその両者が描かれている。このバッジは、特別な日や重要な重大な出来事の記念に国民に配布され、一般には販売されていない。
CNNより転載
このような観光ガイドブックに並んでいるようなことが書いてあるが、興味深いことはビールが美味しいことや、忠誠の証であるバッジが簡単には手に入らないことだ。
ちなみに北朝鮮にとって外国人観光客は外貨獲得のための重要な手段である。
しかし、北朝鮮に近い日本や韓国との国交は無いだけでなく、各国の経済制裁の対象となっているために観光客の国籍は限られたもので、主に中国人観光客をはじめとし、ヨーロッパの観光客がメインの層である。
観光客が貴重な外貨獲得手段であるのはどの国も同じだが、外貨獲得手段に乏しい北朝鮮においてはその比重は比較的大きい。
実際、外貨獲得手段を拡大するために手段を選ばない北朝鮮政府の政策は国内に深刻な問題をもたらしている。