毛虫の中には毒を持つ種類が多く、日本でも夏になると多くの人々がその被害にあう。
毛虫の中でも日本の在来種であるヤママユガはその繭から綺麗な糸が採取できることで知られているように、必ずしも毒を持つ害虫という面だけを持っているわけではない。
しかし、中南米に生息しているベネズエラヤママユガとは最も危険な節足動物として恐れられている。
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先述したように毛虫の多くはどの体に生えている体毛に毒を持っているのだが、ベネズエラヤママユガは物凄い強力な毒を持つことで知られている。
毒の性質は抗凝血性の出血毒で、クサリヘビやガラガラヘビといった毒蛇と同じものだ。刺された場合には傷口からの出血が止まらなくなってしまい、内臓出血や脳内出血を誘発する可能性がある。また、肝臓が破壊されてしまうことによる腎不全によって命を落とす危険もある。
元々この毛虫は密林の奥深くに生息していたことから、その被害は多くなかった。しかし、近年進む森林伐採や自然破壊の影響を受けて人間の住む地域周辺に発生するようになった。南米各国では殺人毛虫という名前で知られており、青っぽい個体や真っ赤な個体等といった、いかにも危険な見た目をしている。
その結果ブラジルでは大量発生により死者が出たという報告もあり、今後も被害が増える可能性も指摘されている。
人間が被害に遭う側面が強調されるが、環境変化による生息地の変化という点ではベネズエラヤママユガもまた被害者なのだ。