アジア原産のスズメバチが日本国内に侵入したことが確認された。
その正体はツマアカスズメバチと呼ばれるハチで、仮に本土へと上陸した場合には持ち前の繁殖力を発揮して日本の生態系に何らかの影響を与えるのではないかと危惧されている。
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生態は非常に獰猛で、肉食で他の昆虫を捕食するなど日本のオオスズメバチと比較しても遜色はない。それだけでは多少獰猛な外来種ということになるのだが、ツマアカスズメバチが危険視される理由は別のところにある。
驚異的な繁殖力だ。
ツマアカスズメバチの体長は約3cm、日本に生息しているオオスズメバチと比較した場合決して大型であるとはいえないが、スズメバチ特有の獰猛さに加えて高い繁殖能力を有し、既にスペインなど日本以外の国でも繁殖が確認されて問題になっている。
海外ではツアカスズメバチに刺された人間が死亡するなどの事故も起きている。
仮に日本本土への上陸が確認された場合には、持ち前の獰猛性や繁殖力の影響ですぐに生息範囲が拡大していくことが予測される。オオスズメバチとは互いを捕食しあう関係となるか、獲物を共有する関係となるか、それとも双方が不干渉となるかによってツアカスズメバチの分布が変わってくるかもしれない。
現在繁殖が確認されている対馬はこれまで外部と隔絶された環境が続いていたために独自の生態系が成立していた。これまでは在来種のミツバチを使用した養蜂が盛んであったが、ツアカスズメバチによってその生計自体が脅かされている。
現在までに50の巣が確認されており、実際にはこの倍以上の巣が存在する推測されている。
外来種の侵入を防ぐことは簡単ではない。今回の事例の様に輸入などの意図的な形ではない場合にはなおさらである。現時点で完全な駆除は困難とされていて、対馬の生態系への悪影響は避けられないものとなってしまている。