Govert Flinck   Aankondiging aan de herders 900x722 天使に翼は無く、人間に見ることは出来ない!カトリック神父が興味深い発言。
世界中の絵画において天使は翼を持ち、頭に環を持つ人間の姿で描かれている。

それは多くの文献の挿絵などでも同じように描かれているため、我々はついつい天使をそのようにイメージしてしまうことが多い。

そんな天使であるが、カトリックの学者兼神父であるレンゾ・ラバトーリ(Renzo Lavatori)氏によるとなんと天使に翼は無いのだという。

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レンゾ・ラバトーリ氏はカトリックの誇る天使研究や悪魔研究の第一人者で、曰く
「天使は霊魂なので姿を確実に見ることは出来ない」
「多くの人は天使を間違った姿で認識している」
「天使は子供を生まず翼も無い」
という認識を示した。

この発表に多くの人が驚いた。

なぜならこれまでイメージしてきた天使のイメージが崩れたからである
Angel Announces the Holy Night Christs Birth 900x600 天使に翼は無く、人間に見ることは出来ない!カトリック神父が興味深い発言。
しかし、天使に翼が存在するというのは意外にも後々になって生み出された概念であることは知られていない。

天使という概念は紀元前の時点で既に存在していたが、その当時は翼を持つ天使という認識をされていなかった。

その理由は、天使の概念を生み出したユダヤ教徒では偶像崇拝が禁止されていたため、天使の姿は絵としてすら残ることなく口伝で受け継がれてきた

つまり具体的なイメージが共有されていなかったのだ。

その戒律を超えて天使の姿を絵にしたのが紀元後に誕生したキリスト教であるが、その当時の画家たちが描いた天使にも翼は描かれておらず、あくまで人に似た外見を持つだけであった。

これは当時から天使が霊魂のような存在だと考えられていて、あくまで人の姿は比喩のようなものであったというせつが有力で、今回のラバトーリ氏の発言の根拠となっているものである。

4世紀になると、キリスト教の画家たちはギリシャ神話に登場するペガサスや勝利の女神ニケなどの翼を持った存在の影響を受けるようになった。
Nike 天使に翼は無く、人間に見ることは出来ない!カトリック神父が興味深い発言。
特に勝利の女神ニケの姿は多くの影響を与え、勝利という意味合いやその美しい姿がモデルとなって今日我々が目にする翼を持った天使が誕生した。

この異教の影響を受けた天使のイメージを当初のキリスト教では認めていなかったのだが、このイメージに影響を受けつつあった世論を封じることが出来ないまま現在に至ったのだ。
Govert Flinck   Aankondiging aan de herders 900x722 天使に翼は無く、人間に見ることは出来ない!カトリック神父が興味深い発言。
つまりラバトーリ氏の発言はキリスト教原理主義的な考えであるため、決して驚くべき発言とはいえないのだ。ある意味、我々大衆が勝手に天使に翼があると思い込まされていたのである。

本当に驚かされるのは、天使に翼が無かったことではなく固定概念に囚われる大衆の方かもしれない