モルモン教、誕生の理由は天使との遭遇！

アメリカ大統領選挙で共和党から立候補してオバマと激戦を繰り広げたミット・ロムニー氏。

彼がその教徒であることから世界中で注目されることになったモルモン教。
日本ではあまり聞きなれないこの新興宗派モルモン教が出来たのは最近のことであり、なんと誕生の理由は教祖と天使との遭遇であるとされている。

モルモン教とは正式名称ではなく通称なのだが、その名の由来となったのはモロナイ(モロニ－)という名のモルモン教にのみ伝わる天使である。

1823年のある日、アメリカのニューヨークに住んでいたジョセフ・スミス二世は家族が寝静まった時間に光に覆われ純白のローブを纏った天使と遭遇した。この天使がモロナイである。

モロナイはジョセフに対して意味深な話をしたという。

その内容は

・モロナイは人間から天使になった者で紀元前の時代にヘブライ人預言者リーハイの導きでアメリカ大陸に渡った一族の末裔であること。

・アメリカの先住民たちの祖先はその時の一族で、後に一族は信仰心のある肌の白いネフィ人と信仰心の無い肌の黒いラマン人に分かれて争い、勝利して繁栄したラマン人が後にインディアンと呼ばれるようになったこと。

・その経緯が書かれた黄金の板をモロナイの父であるモルモンから譲り受け、死後に天使となったこと。

ジョセフはこれらの話を聞いた4年後に自宅近くのヒル・クモラという地に埋まっている黄金の板と2つの宝石を発見した(この地は現在モルモン教の記念碑が置かれている)。

どうやらその時発見された板には天使文字やエジプト文字のような謎の象形文字が書かれていて、共に埋まっていた宝石を使うことで意味が解読できたという。そして2つの宝石の名前はウリムとトンミムと呼ばれている。

この黄金の板を目撃している人物はジョセフ以外にも11人存在し、後に公的な証人と呼ばれるようになる。

ジョセフは謎の文字の解読を続け、1830年にその内容をまとめた書物として刊行、それは今でもモルモン経として受け継がれている。

そしてジョセフと彼の支持者は末日聖徒イエス・キリスト教会を名乗りその教えを広めることになる。また、彼らの経典は聖書ではなくモルモン経であるため異端とされて迫害の対象ともなっていたが徐々に信者の数を増やしていった。

アメリカ大陸にキリスト教に関係する経典のようなものが存在してたとすれば驚きであるが、かつて新大陸に移民してきた者達の中ではイギリスで迫害を受けていた清教徒(ピューリタン)が多く、新大陸に夢を見た人々にとっては新大陸こそ神の国に近いという思いがあり、それがモルモン経とうまく結びついたのかもしれない。

ちなみに、黄金の板と2つの宝石の行方は、天使モロナイに回収されて天へ持ち帰られたという(モルモン教会の公式な見解)。