ある意味夏の風物詩と考えて差し支えないケムシはあらゆる植物の葉の上に生息し、それを見る我々に不快な気分を与えてくれる。
そんな気持ち悪い見た目の生物であるケムシはなんと海の中にも存在し、地上のケムシと同じように毒を持った危険生物として君臨している。
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ケムシという名前こそ持っているが陸上のケムシの様に蛾の幼虫というわけではなく、釣りの餌によく使われるゴカイの仲間に分類されている。
主に海底の砂の中に潜りながら生活しているが、夜になると砂の中から抜け出して海中を泳ぎまわる。どうやら夜間には天敵となる魚類の目を誤魔化すには好都合ということらしい。
ウミケムシ最大の特徴はその体の側面に生えている白い体毛だ。
この体毛には地上のケムシと同じような毒があり、刺激を与えると威嚇のために逆立てる。また人間がウミケムシに素手で触ってしまうと体毛が毒針となって皮膚に刺さってしまい、毛の中に含まれている毒が注入される。
毒が侵入した患部は腫れと痛みが数日間続き、それらが引いた後にはしつこい痒みが数週間続く場合もある。万が一刺されてしまった場合には素手で毒針を抜こうとせずにガムテープなどで取り除いた後に消毒するか病院で診察を受けることが望ましい。
ちなみにウミケムシの毒は死んでからも残っている場合があるので、仮に死骸であったとしても触ることは危険な行為となる。
またウミケムシは繁殖力が高い生物としても知られていて、知らない間に水槽で繁殖してしまうという悲劇も報告されている。
海で投げ釣りをしていると稀に引っかかることがある。謎の生物であると好奇心旺盛に触ることだけは避けよう。