現代の日本ではあまり見かけなくなったハエ。
稀にゴミ置き場や生物の死骸に集る姿を目撃して不快に感じる人もいるかもしれないが、ハエは腐敗したものを自然に返すという重要な役目を担った昆虫という一面も持っている。事実日本のハエは人間に害を加えることは無い。
しかし同じハエでもアフリカには人間を死に至らしめるハエがいる。
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時として人間の命を奪う危険なハエ、その名をツェツェバエといいアフリカ各地で大きの被害者を出している危険生物である。
体長は約1cm程度、見た目は日本に生息しているハエと大差ない。
しかしツェツェバエ(ツェツェはウシを倒すというという意味)はその名の通り非常に危険な生物で、人間の命を奪うことも珍しくない。
ツェツェバエに刺された生物(人間含む)は眠ってしまう。不眠症の人にとっては朗報のようにも聞こえるこの効果であるが、待っているのは不眠症の完治ではなく永遠の眠りなのだ。
ツェツェバエはトリパノソーマという微生物を媒介し、この微生物が体内に入り込むとアフリカ睡眠病という病気に感染してしまう。トリパノソーマにはいくつかの種類があり感染する種によって若干の症状の違いがあるものの、おおよそ頭痛と発熱が表れて睡眠時間が乱れ始める。昼夜逆転の生活を送るうちに意識が朦朧とし、昏睡状態に陥ったまま永遠の眠りについてしまうのだ。
この病気はアフリカ中部の風土病になっており、感染者は7万人を超えるとされてる。
治療せずに完治することは少ないため、医療設備が整っていない地域にとっては死神のような存在となっている。