東南アジアからオーストラリアの広い地域で日照りが続いているようだ。
例年ならばある程度の降水量が記録される時期になっても一向に本格的な雨が降らず、その影響が飲み水の不足や食料価格の高騰等といった深刻な影響を招いている。
スポンサードリンク
現在そんな東南アジアで記録的な日照りが続いている。
1月からほとんど降水が記録されていないマレーシアではダムの水が減少しているために取水制限が設けられた。
インドネシアでは日照りの影響で雨が降らないばかりか、湿度が低下したことによる山火事をはじめとした森林火災が相次いでいる。そのため熱帯雨林の減少だけでなく発生した煙の影響も懸念され、実際に風の方角次第では煙が周辺各国に害を及ぼす可能性もある。
オーストラリアでは日照りの影響で牛に与える餌が不足している。餌の値段の高騰が原因となり、牛を維持すればその時間に比例してランニングコストが増大することから牛の処分及び出荷量が増加している。そのため牛肉流通量が増えることになりそれらの価格が下落している。
この日照りの原因は中国大陸から季節風(モンスーン)の気温低下と見られている。
一時的な日照りは例年観測されるようなのだが、これまでのように季節風の気温が高い場合は海上で多くの水分を含んだ状態で東南アジア地域へ到達する。しかし現在は季節風の気温が例年よりも低く、海から蒸発する水蒸気の量が減少していることが原因となり結果として降水量の減少に繋がっているとされている。
季節風の影響による日照りは3月中旬まで考えられているが、同時に気象予報は一寸先は闇である。
また東南アジアの食糧危機は巡り巡って世界全体の食料価格を一時的に底上げする可能性があり日本への影響も懸念されている。今後このような異常気象が各地で多発する可能性もあり、対策よりも備えが必要になってくる。