Tohoku2 bloc diagramme japan earthquakes 900x522 サイレント地震の存在。人間は感じない大きなエネルギー。
サイレント地震という現象を知っているだろうか。

その名の通り静かな地震という意味なのだが、その実態はマグニチュード7クラスの地震が頻発する現象である。

しかしこの地震があまり知られてないことには理由がある。それはこの地震が人間にはほとんど感知出来ない現象だからだ。

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日本で多く発生する地震はプレート境界地震と呼ばれるもので、日本列島がある大陸プレートが海洋プレートによって地中に引きずり込まれ、ひずみが発生することが原因で起こる。

ひずみが限界に達するとプレートの境目が張り裂け、大陸プレートが一気に跳ね返ることで膨大なエネルギーを放出する。これが地震の正体である。
Tohoku2 bloc diagramme japan earthquakes 900x522 サイレント地震の存在。人間は感じない大きなエネルギー。
このメカニズム、今では多くの人の知るところとなったが、ある大きな疑問が存在することはあまり知られていない。

その疑問とは、海洋プレートに大陸プレートが飲みこまれるスピードは年間約10cmで、その場合にひずみに溜まると考えられているエネルギーの量と実際に発生している地震の数にあまりにも大きな隔たりがあるというものだ。

ひずみに溜まっているはずのエネルギー量に比べて実際に観測されている地震の数が異様に少ないという。そして近頃開発された高性能GPSを駆使した研究で衝撃の事実が明らかになった。

なんと我々人間には感知出来ないにもかかわらず、マグニチュード7クラスの地震が頻発し、ひずみに溜まったエネルギーを放出していることが明らかになった。膨大なエネルギーを生み出しているが

これをサイレント地震と呼ぶ。

実はサイレント地震のメカニズムはとても単純でわかりやすい。

我々が遭遇している地震は断層が一気に動くことで人間にも感じることが出来るほどの揺れになるのだが、サイレント地震は長い時間をかけて断層が動くため地上で揺れを感じることはほとんど無いのだ。

サイレント地震のようなゆっくりした動きが起こる理由は、プレートの間に蓄積している堆積物が潤滑油に似た役目を果たすことによるものと考えられている。また地震全体の周期があまりに長いのでこれまでは地震計で観測不可能な現象であった。

最新の研究ではサイレント地震を引き起こす原因は台風なのではないかと発表されている。

アメリカの学者達はサイレント地震が発生した時期と台風が発生した時期が重なっていることを突き止め、その原因は台風と低気圧がもたらす急激な気圧の変化であると結論付けた。
PIA06310 lrg 900x733 サイレント地震の存在。人間は感じない大きなエネルギー。
しかし日本をはじめとした地震大国ではサイレント地震は毎日のように起きている。その場合は台風による気圧の変化が原因とは考えにくいのだが、サイレント地震の原因自体は複数存在し、その中の1つが台風と考えれば決して無理な考えではない。

また要因の1つがわかっているならばサイレント地震やそれに伴うプレートの動きを予想出来る可能性があり、今後の地震予知の大きな1歩になるかもしれない。