lead 宇宙が膨張していると考えられている理由。
1929年。多くの人は世界恐慌が始まった年としてこの年号を認識しているが、実は天文学界においても歴史的な出来事があった年なのだ。

なぜならば、人類は宇宙が変化するな空間ではないと認識したのがこの年だからだ。

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1929年に宇宙は突然動き始めた、というよりは宇宙が今も広がり続ける空間であると認識した。その原因を生み出した人物はハッブル宇宙望遠鏡にもその名前が付いているアメリカ人天文学者ハッブルだ。

宇宙が広がっているとは呼んで字のごとくなのだが、ハッブルはそれまで定説とされていた静止宇宙モデルを否定して宇宙は膨張していると発表した。
Edwin Powell Hubble 宇宙が膨張していると考えられている理由。
静止宇宙モデルとは世界で最も有名な物理学者であるアインシュタインが提唱した説だ。

ガリレオやニュートンの時代には宇宙を科学的観点から観測していたのだが、星の運行を予測する範囲にとどまっていた状況を大きく前進させたのがアインシュタインだった。アインシュタインは自身の生み出した重力の理論を宇宙規模に広げて考えた結果として、宇宙は自らのの重力によって膨張か収縮するかのどちらかであるという結論に至る。宇宙はあくまで不変な存在であり始まりも終わりも無い空間であると考え、宇宙定数を相対性理論に組み込んで宇宙は不変な空間であるとした。
einstein 500x462 宇宙が膨張していると考えられている理由。
これが静止宇宙モデルである。

しかし、静止宇宙モデルは少し無理がある強引な説だった。そもそもアインシュタインが宇宙定数を導入した理由が、宇宙の変化を認めたくなかったからだ。彼の生み出した方程式を解いたフリードマンは宇宙膨張説を発表しているのだが、アインシュタインはフリードマンの説の数学的正しさを認めつつも適切ではないと批判している。

しかし、1929年にハッブルが発表した膨張宇宙説はアインシュタインも認めることとなった。その理由は宇宙膨張の証拠が明らかになったからだ。

ハッブルは当時最大の望遠鏡があったウィルソン山天文台でアンドロメダ星雲や銀河を観測していた。その時彼は遠い銀河ほど赤みがかって見えることを発見する。
lead 宇宙が膨張していると考えられている理由。
この現象はドップラー効果(音の波長は近づく時に高く聞こえ、遠ざかる時に低く聞こえる)に似ていて、音と同様に光にも波長によって色が決まるという(近づいていると場合は青く見え、遠ざかる場合は赤く見える)。

つまり、遠い銀河が赤く見えるという現象は、地球から見て遠ざかっているといえるのだ
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この説を認めたアインシュタインは生涯で最大の不覚だという言葉を残した。
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宇宙は何故広がっていると考えられているのか。その理由を聞かれたら上記の説明をすればいいだろう。