タバコの有害性は万人の知るところ。
実際にタバコを吸う吸わないは個人の裁量に委ねられるものの、その自由以上に周囲にまき散らす副流煙が引き起こす二次被害が批判の対象となり喫煙者の肩身を狭くしている。
そんな中副流煙を発生させないタバコとして電子タバコが開発されたが、アメリカでは早くも批判的な論争が起きている。
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電子タバコはこれまでのタバコと違いフィルターの中に入ったニコチンを加熱することで蒸気を発生させて吸引するもので、アメリカでは60%の電子タバコ使用者が従来のタバコによる喫煙機会を減らしたと報告され、副流煙も発生しないことから周囲の非喫煙者への害も少ないとされている。
アメリカでは喫煙者への風当たりの強さや社会的偏見の広がり、さらには健康への関心が広がったことから徐々に従来のタバコによる喫煙を行う者が減少し、その代用品として電子タバコの市場が拡大している。
電子タバコ自体は禁煙治療に使用される場合がある等、一種の医療品としての側面(禁煙治療)やタバコとは違った嗜好品としての側面も持っているのだが、アメリカでは電子タバコに含まれるニコチンを吸う行為自体が喫煙を誘発するとして、または喫煙と酷似するとして18歳未満は購入できないようになっている州がほとんどである。
その一方で若い喫煙者(18歳未満)のなかの4人に1人、25%が電子タバコを吸った経験があるとされ、専門家は健康への警鐘を鳴らしている。
懸念はタバコを吸っている若者が更なる快感を求めて本格的なタバコによる喫煙を開始してしまうことであるという。
またWHOやアメリカ食品医薬品局 (FDA)も電子タバコの有害性をまとめた資料を公表している。それによると電子タバコの中でも不衛生な環境で製造されたフィルターには毒性の物質が混入されている可能性があること(この場合副流煙にも発がん性物質が混じることになる)、ニコチンを吸うという性質上依存症になる可能性は依然として高いという指摘がなされた。
アメリカでは電子タバコは従来のタバコと違うために厳格な法規制が進んでいないという現状があるが、ここにきて電子タバコも規制するべきではないかという議論が各地で起きている。すでにニューヨークやシカゴなどでは公共の場での電子タバコを禁止とする法律が制定され、各都市で相次いで類似した条例の制定が進められている。
若者の間では健康に悪くないタバコという間違った認識が広がっていることも議論の根拠となり、現時点で電子タバコの市場はタバコ市場の1%程度と大きくないが今後成長が期待されている市場なだけあってタバコ会社の反発も起きている。電子タバコは本体と消耗品のカードリッジを使うため、ランニングコストが従来よりも安くなることも普及につながる可能性があるからだ。
タバコ会社を後ろ盾とする政治家は
「電子タバコの有害性は根拠が無い」
と主張し、そうでない政治家は嫌煙者が多数を占める世論を考慮して
「電子タバコはすぐに規制されるべきである」
として睨み合いが続いている。
喫煙者にとっては希望の光となった電子タバコ、アメリカで規制が進めば日本にも影響が出るだろう。本来ならば喫煙をせずにこれらの議論とは無縁の生活を送ることが理想的だ。
何時間も煙だらけの部屋にいなければいけないなどなら理解できますが
何故、通りすがりにちょっとした煙が漂ってきただけで大騒ぎするのか
私にはストレス発散のはけ口として煙草が生贄になっているとしか思えないです