Hanging Gardens of Babylon バビロンの空中庭園。紀元前に存在した階段上の庭園。
バビロンの空中庭園は紀元前600年に存在した新バビロニア王国の首都であるバビロンに存在した階段状の庭園である。実際に空中に浮いているわけではなく、当時としてはあまりの高さのために空中に存在するかのように見えたのだ。

建造したのは時のバビロン王であるネブカドネザル2世である(在位、紀元前604~562年)。

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空中庭園が存在したとされている場所は現在のイラク付近である。

バビロンの空中庭園の見た目は高さ15mで400m四方の基盤の上に多くのテラスが作られ、最上部までの高さは100m以上になったとされている。
Hanging Gardens of Babylon 600 BC バビロンの空中庭園。紀元前に存在した階段上の庭園。
土台やその他の材料の多くはレンガや切り石で、テラスには防水のためにアスファルトが使用されるなどといった高度な技術が用いられていた。

このような技術の果てに各テラスに大量の土が盛られ、多くの植物が植えられた。
Hanging Gardens of Babylon バビロンの空中庭園。紀元前に存在した階段上の庭園。
そして、これら植物を栽培するのに必要な水はユーフラテス川の水を汲み上げたとされている

庭園の正面には訪れる人が上に上るための階段が設置されていて、内部にはドーム状の部屋がいくつも作られていた。また、当時の建物としては例を見ないほどの高さであったことから、それを見た人は空中に庭園があると錯覚して「空中庭園」と呼ばれるようになったと考えられている。

当時、このような手間のかかる建造物が建設された理由はネブカドネザル2世の妻であるアミュティスのためである。

アミュティスの出身は、バビロンの北方に存在したメディアと呼ばれる地域で、そこは豊かな緑に囲まれた場所だったとされている。そのためバビロン王国のような乾燥した地域での生活に嫌気がさしていた。そんな王妃を慰めるためにネブカドネザル2世が庭園の建設をしたのだ。
hanging gardens babylon wallpaper 838725 バビロンの空中庭園。紀元前に存在した階段上の庭園。
空中庭園に使われた水を汲み上げる技術はとても高度なものだったとされている。どうやら庭園の最上部に貯水タンクが設置され、そこからパイプを使って各テラスに給水していた。一説には自動散水装置のようなものがあったとされているが、実際には言い伝え以外の証拠が発見されていないため確証には欠ける。
hanging gardens of babylon バビロンの空中庭園。紀元前に存在した階段上の庭園。
koldewey 1 347x500 バビロンの空中庭園。紀元前に存在した階段上の庭園。仮にこの伝承が事実であるとすれば、2600年前の時代にこれだけの技術があったとすればまさに超古代文明であるといえる。

空中庭園は紀元前538年のアケメネス朝ペルシアに侵攻されて破壊されたとされていて、伝説上の存在となっていたが、20世紀の初頭にドイツ人考古学者であるロベルト・コルデヴァイ(Robert Koldewey)による発掘調査の結果、空中庭園の痕跡と見られる遺跡が発見された。

コルデヴァイによると、ネブカドネザル2世の宮殿周辺で発見された建物の跡地が空中庭園の跡地だという。
hanging gardens ruins バビロンの空中庭園。紀元前に存在した階段上の庭園。
後にこの説にはイラクの研究者が反論して、コルデヴァイの発見したものは食糧庫の跡地であると主張した。そして、別の場所(ユーフラテスの近く)を空中庭園の跡地としている。
2074349197 f5574cd727 バビロンの空中庭園。紀元前に存在した階段上の庭園。
しかし、現在までも決定的な証拠は見つかっていないため、今後の発掘が期待される。