マンドラゴラ、ヨーロッパの奇妙な植物。

世界中に奇妙な植物の伝説が存在し。その中で最も有名なマンドラゴラ(別名マンドレイク)は主に欧米で伝説となっている人間の形をした植物である。

マンドラゴラ伝説の多くは、引き抜くと声を発し聞いた者を絶命させるといった共通点を持ち、今もヨーロッパではマンドラゴラを発見したというニュースが話題となることがある。

その効能は万病に対する特効薬として用いられるだけでなく、時には不老不死の秘薬やマンドラゴラ自身が強大な魔力を得ると信じられてきた。

それだけの効果があるマンドラゴラ、当然簡単に手に入るものではなく命がけの作業が待っている。

マンドラゴラが生える場所は無実の罪を着せられて命を絶たれた死刑囚の体液が土に付着している場所。採取に適した日は新月の日が最もマンドラゴラの魔力が優れている日とされているために新月の暗い日を狙う。

マンドラゴラの声を聞くと危険なため飼いならした忠実な犬を用意し、犬とマンドラゴラの茎を繋ぐ。人間は耳栓をして遠くに離れて犬を呼ぶ。犬が人間に近づく際にマンドラゴラが引き抜かれ、犬は死んでしまうものの晴れてマンドラゴラを手に入れることが出来るというわけだ。

先述した強大な魔力を得る手段も複雑で、

マンドラゴラを泉の水で丁寧に洗った後に赤ワインに浸す。次に紅白のシルクで包み(赤は犠牲の血を表し、白は純血を表す)棺の形をした箱に収める。毎日の食事を共にし、金曜日ごとに取り出して再び赤いワインで洗い流した後に新しい紅白の布で包む。

この過程を踏めばマンドラゴラはあらゆる質問に答える最高の預言者となるのだが、質問の内容(要求)が大きなものであった場合は衰弱してしまうとされている。

現在マンドラゴラとして出回っているものの多くは日本でも見かける奇妙な形をした大根や人参等であり(中には作り物も混ざっている)、残念ながら本物のマンドラゴラが見つかったという話は全て本の中での出来事である。