日ユ同祖論というのは、日本人とユダヤ人は同じルーツを持っているという説のことである。
それらの根拠とされているものは一見強引に関連図けられたように見えるものや、多くの批判的な意見があることも忘れてはいけない事実だ。これはそんな日ゆ同祖論を肯定的な立場から見たものである。
スポンサードリンク
日ユ同祖論における日本人の先祖のユダヤ人とは何時のユダヤ人なのか。
それはイスラエルの名の由来となったヤコブの12人の息子たちの説明が必要である。
12人の息子たちの名前は
ルベン
シオメン
レビ
ユダ
イサカル
ゼブルン
ヨセフ
ベニヤミン
ダン
ナフタリ
ガド
アシェル
である。
この12人がイスラエル12支族と呼ばれる者達で、イスラエルの祖先とされる者達でもある(現在ではレビの系譜が12支族から外れ、ヨセフの一族をマナセ族とエフライム族に分けて12支族とする場合もある)。
12支族の子孫たちは南北(それぞれ北部のイスラエル王国と南部のユダ王国)に分裂。イスラエル王国はユダ族とベニヤミン族以外の10支族から、ユダ王国はユダ族とベニヤミン族からなっていた。
そして時は紀元前8世紀に。
アッシリア帝国がイスラエル王国を亡ぼしてしまい、イスラエルを構成していた10支族はメソポタミアに捕囚されてしまい(ちなみにユダ王国も新バビロニア王国に滅ぼされる)、ここからユダヤ人の過酷な運命が始まる。
ここが日ユ同祖論の始まりである。そしてその理由は、メソポタミアに捕囚されてしまった10支族の行方がわかっていないからである。
10支族とはいえ、膨大な数の人間が姿を消したということで
「消えたのではなく何処かに移動したのだ」
と考える者が出てきた。
当時のイスラエル周辺の国から見て未知の土地(行方が負えなかった可能性のある行先)は、ギリシャ方面のヨーロッパでもなく、エジプト方面のアフリカでもなく、東方しか無い。
東方にはヒマラヤを超えて日本の近くまで伸びるシルクロードが存在しているからである。
日ユ同祖論で出てくるユダヤ人は、この時にいなくなった10支族がシルクロードを通り日本に到達したということが前提条件であると考えて間違いないが、だからといって日本人の全ての祖先がユダヤ人だというのではなく、10支族が日本人の祖先の一部として共に文化や歴史にその痕跡を残してきたというのが本当の日ユ同祖論である。
あまり知られていないが、日ユ同祖論を初めに提唱したのは日本人でもユダヤ人でもなく、明治初期に来日したスコットランド人商人のノーマン・マックレオドという人物である。
