世界で最も有名なUMAの1つ、ビッグフット。
1967年にカリフォルニアの山中で撮影された映像が世界中を駆け巡り大騒ぎとなった。
通称パターソンフィルムといわれるこの映像がビッグフット存在の証拠とされ、多くの物議を醸し出したがその真相は多くの人々の夢を打ち砕くものであった。
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1810年にオレゴン州ダレスで全長42cmの足跡が発見されて以来多くの目撃情報があり、それによると意外にも性格は大人しく人畜無害であるという。
そんなビッグフットは映像(パターソンフィルム)まで撮影され大くの人を魅了してきたが、その真相は少し残念なものである。
1つめはパターソンフィルムの事実。
パターソンフィルムは1967年の10月20日にカリフォルニア州でロジャー・パターソンらによって撮影された映像で、ビッグフットが歩いていくという内容だ。テレビなどでビッグフットが特集される際にはまず間違いなく流れるほど有名な映像である。
この映像は世界中に配信されて一大ブームを巻き起こしたが、その際にアメリカのスミソニアン博物館やソ連の科学アカデミーの研究者が発信した見解の方は世に出回ることは無かった。
なんと当時の研究者たちの見解は2つに別れ、スミソニアンの研究者たちは映像を見ただけで偽物であると断定していたのに対し、ソ連科学アカデミーの研究者は本物の生物であると主張したのだ。
歩行の際の足の動きや横顔などからホモサピエンス以前の人類の祖先の特徴を備えていると指摘されたが、論争は最も単純な方向へ収束していくことになった。
着ぐるみを着ていたかどうかである。
結局賛否入り乱れる形となり時間が過ぎていったが、ある時事態は動き出した。
2002年にワシントン州でレイモンド・ワラスという人物が死の直前に
「ビッグフットは着ぐるみを着て撮影した」
と告白し、2004年の雑誌に中ではボブ・ヘイロムニスという人物が
「自身がビッグフットの中に入っていた」
と告白している。前者は死の直前であったため真相を確かめられないが、後者に関しては怪しい発言とされるようになった。詳細を説明できなかったからだ。
同時に撮影者であるパターソンの夫人はそれを非難しているものの、やはり現実味は低いだろう。
2つ目は冷凍ビッグフット死体捏造事件である。
これは2008年に起きた事件で、ジョージア州の警官(現在は休職中)であるマシュー・ウィットンと元看守のリック・ダイアーがビッグフットの死体を発見しDNA鑑定も済ませたとして会見に臨んだのだ。質疑応答はビッグフットハンターのビスカルディという人物が取り仕切り、3人は冷凍したビッグフットの死体を公開した。
冷凍のビッグフットを調査したところ、毛に火を近づけた際に丸まったことから化学繊維であると判明し、解凍すると一着450ドルで販売されている商品であることも判明した。
なぜすぐにバレる嘘をついたのかはわかっていないが、ビスカルディはこれまでにも人を欺いてきた人物であることが判明している。
このようにビッグフットは話題集めにはもってこいのUMAであり、あらゆる面で利用されてきた。
真実はスミソニアン博物館の研究者の見解通りの捏造であるというのが今では一般的であるが、パターソンフィルムが捏造であってもビッグフットそのものが否定されたわけではない(巨大な霊長類がこれまで証拠も発見されずに生存している可能性は極めて低いことは変わらない)ため、もしかしたら発見されることがあるかもしれないが希望は少ないだろう。
あのフィルム、1967年の着ぐるみでは無理が生じる。膝の関節が低すぎる(膝の関節の位置を着ぐるみでみじかくするのは不可能、現代でも無理)。不可能だ。