神の知識が記されている書物「大天使ラジエルの書」。
持つ者に神秘の力を授けるだけでなく、その内容は神のみが知る秘密で満ち溢れているという本である。
現在は原本は失われてしまい、中身を書き写して写本のみが後世に受け継がれている。
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その内容は、ありとあらゆる全ての知識が書かれたものとされ、ラジエル以外の天使でさえ知らされていないことさえ書いてあるという。
・全宇宙の謎を解くカギとなる1500のこと
・天使の文字や言葉
・魔除けの作り方
・生命や霊について
・地獄について
・エデンの園の区割り
これらさまざまな内容で構成されていたとされている。
ラジエルの書に関する伝説の中には、エデンの園を追われたアダムに対し彼を哀れに思った天使ラジエルが授けたといったものや、神の命でラジエルがアダムに与えたとするものが存在する。
天使すら知らされていない知識が書かれた本を人間が持っていることに反発した天使がいたという伝説も残る。
それによると、他の天使がアダムから書を奪い海に捨ててしまったが、死の天使ラハブによって回収されて再びアダムのもとに戻され、代々アダムの一族が受け継ぐことになったという。
アダムの一族に継承されていったラジエルの書は、子孫であるエノクが天使メタトロンとなるきっかけを与え、ノアはこの書を参考にしてノアの方舟を築いたとされている。古代イスラエルのソロモン王は、悪魔を従える術や王として君臨する致死意を学んだとされている。
ラジエルの書の原本はサファイアで構成されていたとされているが、現在残っているのはその写本の身である(写本自体は13世紀から存在していとされている)。
13世紀のカスティーリャ王国の国王アルフォンソ10世が作らせた本が由来となり、時間の流れと共に多くの物語や設定が脚色されて現在に至るという説が一般的になりつつある。
当時の権力者が民衆を統制するために、または支持を得るために天使の名を使ったという可能性も高いかもしれない。
ユダヤ教徒の中にはその神秘性からか、この写本を大切に持ち歩く者達もいる。
