793px Erastus Salisbury Field   The Garden of Eden エデンの園、聖書に登場する理想郷。
世界各地に存在する理想郷の伝説。

中国では桃源郷、チベットではシャンバラといったようにその地の人々に代々伝わる理想郷は人々の理想を現す鏡としての意味合いも持っている。

そして世界中の理想郷といえば旧約聖書「創世記」に登場するが最も有名だ。

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「創世記」の記述によると、

神は天地を想像した後に動植物を作り、1日の休息の後にエデンの園を作り出しアダムとイブを住まわせた。
エデンの園には川が流れ、園を出ると川は4つに分かれピション・ギホン・ヒデケル・ユフラテという川となった。

園の大地は見るからに好ましく、中央には生命の木と善悪の知識の木が生えていた。

神は
「どの木の実も思いのままに食べてよいが、善悪の知識の木の実だけは食べてはいけない、それを食べれば死ぬからだ」
としていた。

アダムとイブはエデンの園で働くことも無く思いのままに遊び暮らしていたが、その素晴らしい生活はある日突然終わりを迎える。

エバは1匹のヘビにそそのかされ、アダムはエバにそそのかされ善悪の知識の実を食べてしまった。

知識が付いた2人は一糸纏わぬ姿でいることに羞恥心を覚える(これが人間が服を着る理由である)。

そして神によってエデンの園を追放され、食べ物にありつくには汗水流して労働しなければならなくなった。793px Erastus Salisbury Field   The Garden of Eden エデンの園、聖書に登場する理想郷。

 

これが旧約聖書創世記に登場するエデンの園であるが、専門家の間でもそれは中国でいう桃源郷やチベットでいうシャンバラのような想像上の場所であると考えられている。
Cole Thomas Expulsion from the Garden of Eden 1828 900x651 エデンの園、聖書に登場する理想郷。
同時にそれらと同じようにエデンの園にはモデルとなった場所が存在するのではないかという説も存在した。

聖書に登場するエデンの園の4つの支流の中でユフラテという川は現在のユーフラテス川であるという考え方から、エデンの園のモデルはユーフラテス川上流にあるのではないかという見解である。

また、聖書の中にはベテ・エデンという場所が存在することや、その地域が都市国家ラガシュとの間で戦を繰り広げた場所の地名がグナエデン(エデンの首)であることからメソポタミア周辺にエデンの園のモデルとなった場所が存在するというのだ。
597px Tigr euph 497x500 エデンの園、聖書に登場する理想郷。
実際のところは桃源郷などのように人々の理想が生み出した幻の世界である可能性が高いが、もしかしたら本当にエデンの園は存在していたかもしれない。