~モドキという生物は地球上にたくさん生息している。
サソリモドキやナナフシモドキ等に代表される昆虫たちは、その名の通りある種の昆虫の姿をしているが、実際にはそれらの昆虫とは違った生態を持ち、あくまで姿が似ている(人間目線で)に過ぎない。
そんな~モドキの中に、カマキリモドキという昆虫がいる。これは普通の人が見ればカマキリにしか見えないという実に奇妙な生物だ。
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世界中の熱帯や温帯地域に生息していて、これまでに400種という意外に多く発見されている(日本にも8種が生息している)。
カマキリモドキのように、種が異なっていても姿形が他の生物と似た外見を持った生物がいる。例えば、昆虫のケラと哺乳類のモグラは全く異なった生物であるが、土を掘るために進化した前足(同じような生活をしたことが原因で同じように進化した)を持っている。これを収斂進化(しゅうれんしんか)という。
カマキリモドキはカマキリと同じように小型の昆虫を捕食するので、カマキリのような鎌に似た腕を持つことは、獲物を捕らえる際に好都合というわけだ。つまり、カマキリモドキも収斂進化によって上半身だけがカマキリに酷似したのだ(腕の形こそ似ているが、カマキリと違って前脚を後ろに折る特徴がある)。
また、カマキリに似た外見を持ちながらハチ(蜂)のような体色をしている理由は、天敵に襲われないためだと考えられている。
ちなみに、カマキリモドキは夜行性である。そんな生態を持ちながら、暗い空間の中でどのようにして獲物を認識するのだろうか。
カマキリモドキの生息地にはスズサイコという植物が自生していて、この植物は夜間に花を開き、同じく夜行性の昆虫をおびき寄せる。それを利用して昆虫が集まる場所で狩りをするのだ。
カマキリモドキのように収斂進化をした生物達。我々の身近に生息していることも多い。