今も昔も人類発祥の過程は多くの謎に満ちている。
しかし、新たな発見や長年の研究の成果によって徐々に謎がとかれていることも事実だ。そんな人類発祥の過程の中で最も人の興味を引きつけることといえば、まさに人類発祥の地だろう。
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その場所として注目されているた場所が、グレート・リフト・バレーと呼ばれる長い谷だ。グレート・リフト・バレーはアフリカ大陸を縦断するようにして存在する巨大な谷で、激しい地殻の活動によって陸地が分断されることで誕生した。
谷と表現しているもののその全長は約7000kmにも及び、周囲にはビクトリア湖をはじめとした多くの湖が点在し、その恩恵を受けて様々な生物が生息している。
巨大な谷は今でも広がりを続けていて、数千年後には亀裂に海の水が流れ込んで新たな海になると予想されているこの場所は、同時に人類誕生の地と考えられていた。
その理由は、グレート・リフト・バレー周辺で数多くの人類の化石が発見されているからだ。また、人類最大の特徴である二足歩行もグレート・リフト・バレーの環境の影響を受けて習得された可能性が高いと考えられていたからだ。
人類が四足歩行をしていたとされる時代。人類の住むグレート・リフト・バレーの東側には広大な森が広がり、人類もその環境の中で生活していたが、時代が流れるとグレート・リフト・バレーの活動によって周辺環境が変化して谷の東側の森が草原と化してしまった。
その際、変化を受けなかった谷の西側に住んでいた人類の祖先は四足歩行のままで問題無かったが、森林ではなく平原で生きていくことになってしまった谷の東側の人類は、生き残りをかけて二足歩行を会得したのではないかとされていた。
そんな人類は、自身の身を守り、食料獲得のために道具を作る等して知恵を身に着け、世界各地に広がっていったと考えられていた。
何故過去形の表現が多いかというと、グレート・リフト・バレーから遠く離れた中央アフリカでサイコの人類の化石が発見されたことで、グレート・リフト・バレーの人類発祥説は薄くなってしまった(中央アフリカというグレート・リフト・バレーの西側から最古の化石が発見されたことから、従来の説のほとんどが否定されてしまっている)。
しかし、グレート・リフト・バレーでは初期人類が暮らしている証拠が多く発見されていることも事実。人類に多くの影響を与えた場所であることは間違いない。