ネパールのルンビニという地域で非常に興味深い発見があった。
おそらく木造の寺院との痕跡と思われる遺跡のようなものが発見され、鑑定の結果紀元前6世紀頃のものであるということで、これまで考えられていたよりも昔の時代に釈迦が存在していた可能性を示すものだという。
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ルンビニは釈迦誕生の地とされていて、仏教徒の間では聖地と崇められ日々多くの信者が参拝にやってくる場所である。
そんなこの場所で発見されたのは、紀元前6世紀に出来たと思われる木製の柱が立っていた痕跡である。
紀元前3世紀に建設された寺院の下に埋まっていたもので、柱の痕跡には既に発見されている寺院の遺跡にも見られる特徴があり、柱の痕跡に付いた木炭を鑑定した結果、紀元前6世紀頃に建設された別の寺院の一部である可能性が高いことが判明した。
これだけでは何とも間接的で何故重要な発見といえるのかよくわからないかもしれないが、
実は今回の発見は釈迦(仏教の祖)の生涯に関する新たな事実を裏付けるるものであるとされているのである。
その理由は、釈迦の生涯これまで口伝によってのみ伝えられ、後にその伝承を書物に書き残す形で現在に伝わっているが、発見された寺院が建設されたと思われる時代が紀元前6世紀である前提から考えると、釈迦が生まれたとされる紀元前3世紀(いくつか説があり、紀元前6世紀に誕生したという説もあった)よりも過去の時代に仏教の寺院が存在していたこと。
すなわち釈迦は紀元前6世紀以前に存在し、この時代にすでに仏教は多くの信仰者を集めて宗教としての体を成していただけでなく、寺院を立てるほどに民衆に浸透していたことを示しているのだ。
この発見はまだ釈迦の謎を解くものではないが、今後これまでの説をさらに覆す発見がされる可能性は高いだろう。