惑星が恒星の周りを1周する期間のことを公転周期という。
地球の場合は太陽の周りを1年かけて回る。このため、地球の公転周期は1年という事になる。
そして、宇宙には我々の想像を超える星が存在している。
なんと公転周期がわずか5分の星である。
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連星
連星とは、異なる2つの恒星が互いの重力によって引き寄せ合い、互いの星の周りを回っている状態のことを指す。地球から見える星は全て恒星であるが、実にその中の25%が連星である。
かに座HW星は白色矮星で、かつては太陽の3倍ほどの大きさであった天体が寿命を迎えた、星の終末期のようなものなのだ。
互いの恒星の周りを公転しているこの連星、その公転周期はなんと
5分21秒で、これは現在見つかっている星の中で最も公転周期が短い星である。
地球などの惑星は、中心となる恒星(太陽など)の重力の影響下で公転しているが、かに座HW星等の連星は互いの重力が凄まじく、自身の重力と相手の重力が相互作用することで強大な力を発生させ、結果的に公転周期が異常な速さになるのではないかと考えられている。
そして、この連星は今から約34万年後に衝突する。
2つの恒星が衝突することで超新星爆発を起こすのだ。
その際に発生するエネルギーは想像を絶するもので、宇宙で最も明るい現象であるガンマ線バーストとなる。その後、ガンマ線を放出し、エネルギーが無くなった星には重力だけが残る。ブラックホールの誕生である。
ガンマ線バースト
ガンマ線バーストとは、ガンマ線と呼ばれる放射線が放出される現象で、ガンマ線は主に超新星爆発で宇宙空間に放出されるが、太陽フレアなどでも微弱ながら放出される。
超新星爆発の際のガンマ線バーストの被害範囲は広大で、地球に降り注ぐガンマ線は時として太陽系の外側からやってくるほどの規模であるなど、場合によっては銀河全域に影響を及ぼす。
地球では775年にガンマ線バーストが襲来した痕跡があるだけでなく、幾度となく生物が大量絶滅の危機にさらされた原因は、ガンマ線バーストによるオゾン層の破壊ではないかという説もある。
幸いなことに、かに座HWが超新星爆発を起こし、ガンマ線バーストを発生させても、それが地球の方向に飛んでくる確率は少なく、太陽系全体に影響を及ぼしている太陽磁場(太陽圏)の影響でガンマ線から守られると考えられているため心配ないだろう。