エジプトで彗星衝突の痕跡が新たに発見されたと発表された。
これは、エジプトのサハラ砂漠で見られる石英ガラスの存在が彗星衝突の根拠となっているようだ。専門家は、この発見を元に太陽系の起源に迫ることができるのではないかと話している。
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今回の彗星の痕跡を発見したとする理由は、サハラ砂漠で見られる石英ガラス(またはリアビングラス)が彗星の衝突によって誕生したものではないかという研究結果が出たためである(通常は小惑星の衝突で生成される)。
エジプトで発見された彗星は、約2800万年前にエジプト上空で爆発した(厳密には衝突というべきではないかもしれない)とされていて、その際に発生する高熱で砂漠の砂が溶けて固った石英ガラスの物質を調査したところ、彗星特有の塵が発見されたという。
この彗星の衝突の根拠とされている石英ガラス(リアビングラス)は、ツタンカーメンの宝飾品にも使用されているものである。
真ん中の宝石が彗星衝突の際に生み出された物質である可能性が高いという。
小惑星が他の惑星と衝突することは決して珍しい現象ではなく、夜に綺麗な夜空を見上げれば、毎日のように流れ星となった小惑星を見ることができるほどに、小惑星は地球にたくさん飛来している。
つまり、小惑星が地球と衝突するのも珍しいことではないのだ。
しかし彗星が他の惑星と衝突するのはとても珍しい現象であるという。彗星の主成分は水や氷であるために、衝突の痕跡は残りにくい(氷や水分が主成分であるためにたとえ衝突してもそれらの物質は地球上に存在する同じ物質と混ざってしまうことや、小惑星にはイリジウムのような固有の物質が含まれているが、彗星には固有の物質が存在しないことが多い)。
そのため、たとえ過去に何度も彗星が衝突していた事実があったとしても、その痕跡を発見できないために、彗星が衝突するのは珍しいという説が一般的となった可能性もある。
今回の発表には
「彗星の衝突とする根拠が乏しく、これは彗星ではなく小惑星の衝突ではないか?」
という懐疑的な意見も存在する。
ちなみに、これまでに彗星が惑星と衝突したことが確認されているのは、1994年に木星に衝突したシューメーカー・レヴィ第9彗星だけである。これは1000年に1度の現象とされている。
クレーターは地球の直径と同じ大きさで、木星の重力に引き寄せられなければ地球に衝突していたかもしれない。
タイミング良く2013年10月から地球にアイソン彗星が接近する。
これを機に彗星のロマンを感じるのもいいだろう。