gastric2 カモノハシガエル。絶滅から蘇る可能性も。
1度絶滅してしまった生物が人間の手によって復活する可能性がある。

カモノハシガエルという、カモノハシなのかカエルなのかわからない名前をした生物のことである。

人間は多くの場面で生物を絶滅させてしまう側に立ってしまうが、時として絶滅種を蘇れせる側になる場合もあるようだ。

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カモノハシガエルはオーストラリアのクイーンズランド州にのみ生息していた希少なカエルで、オスの大きさは約4cm・メスはそれよりもやや大きい。
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カモノハシの生息地域に分布していることからカモノハシガエルという名前が名付けられた。

夜行性で昼間には岩陰などでじっとしており、夜になると動き出す。餌を発見すると突進するように飛びかかって捕らえる。 このカエルの見た目はあまり特徴が無いように見えるが、最大の特徴は、メスが産んだ卵を呑み込んで胃の中で子育てをするという点だ。
Rheobatrachus silus with baby Southern Gastric Brooding Frog カモノハシガエル。絶滅から蘇る可能性も。
卵は母親の胃袋の中で孵化し、オタマジャクシとなってカエルになるまでそこで育つ。6~7週間程度でカエルになって母親の口から吐き出される。母親の体内で育つ卵やオタマジャクシからはプロスタグランジンE2という物質が分泌されていて、消化液の働きが抑制されるので消化されずに育つことが出来る。

これだけではただの珍しいカエルなのだが、実はこのカエル、1981年以降野生での発見がされておらず、飼育下のカエルも1983年を最後に全て死んでしまったことから絶滅種と考えられている。
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そんなカモノハシガエルであるが、2013年になってオーストラリアの研究グループが保存されていた細胞を使用してカモノハシガエルの胚を復元することに成功した。これによって種の復元も可能であると期待されているのだが、絶滅から長い時間が経っていないとはいえ、自然淘汰という形で絶滅した生物が再び蘇るようなことがあれば周囲の環境にどのような影響を及ぼすか未知数で、同時に倫理的な問題も含んでいる。
081105 frog embryos 02 grid 6x2 カモノハシガエル。絶滅から蘇る可能性も。
カモノハシガエルは人間の新たな1歩を象徴する生物になるかもしれない。