「ダニはそこらじゅうにいる」
小さい頃このようなことを言われ衝撃を受けた人は多いだろう。確かにダニはありとあらゆる場所に存在している。一方で、日常生活でダニそのものの存在を認識することは極めて少ない。
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どの家庭の台所にもあるミックス粉(お好み焼きのものなど)にダニが大量に繁殖し、それを取り込むことによるアレルギー症状が表れる事例が相次いでいると毎日新聞で報道された。
同報道によると、粉1グラムの中に9000匹前後のコナヒョウヒダニ(よく似た名前で同じように食品に繁殖するコナダニがいるが、コナヒョウダニはヒョウダニの仲間で別名は、チリダニ)が見つかった例もあり、2013年の初めには、お好み焼き粉を調理して食べた母子がアレルギー症状で受診し、粉からは4800匹のダニが確認されたこともある。
食品に繁殖するのはコナヒョウダニだけでなく、先述したコナダニも繁殖する。ここでコナダニが繁殖すると、次に現れるのはツメダニと呼ばれるダニである。このツメダニはコナダニを餌として捕食するダニである。このように、ダニの繁殖が新たなダニの繁殖を招くという、人間にとってはまさに悪夢のような現象が発生しているのである。
↓コナダニ(左)を捕食するツメダニ(右)
想像してもらいたい。自分の食べるお好み焼きの粉でダニが繁殖するだけでなく、コナダニを捕食したツメダニが大量の糞をしたり捕食されたコナダニの残骸が散らばっている姿を。
ダニアレルギーの症状の出た患者達の90%近くが、お好み焼き・タコ焼き・ホットケーキ・ピザを食べた後に喘息や鼻炎などのアレルギー反応が表れた。これらの食品の素材であるミックス粉にはアミノ酸が含まれるために、比較的ダニが繁殖しやすいという。また、患者の多くがミックス粉を長期間常温保存し、中には賞味期限が2年前に切れているものもあった。
ちなみにこれらのダニの大きさは
コナヒョウダニ=0.2~0.4mm
コナダニ=0.3~0.6mm
ツメダニ=0.8mm
対策としてはどのような方法があるのだろうか。
ダニが繁殖しやすい環境は、
1.高温(20~30℃と夏に繁殖しやすい)
2.多湿(60~75%と日本は多湿なのでダニにとって繁殖しやすい)
3.餌の存在(あらゆるものが餌となるが、今回の場合はミックス粉)
医者の見解は、台所など湿度の高い場所で長く保管するとダニが繁殖しやすいため、 特にダニアレルギーの人は開封後は早めに食べ切る、冷蔵保存するか袋に小分けした製品を買うことを勧めている。