The hand that will rule the world 大企業で続々と賃上げが発表されるも厳しい実態は変わらず。
4月から始まる新年度に向けて各企業で労使交渉(労働組合と経営者の賃上げ交渉)が行われている。

不景気という言葉が日本中を覆う中、意外なことに各企業で大幅な賃上げが発表されている。

はたしてこの賃上げは日本全体に波及するのだろうか。

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現在各企業では労使交渉が行われ、新年度からの給与値上げを求める労働者たちと経営者たちとの間で議論が繰り広げられている。

リーマンショック以降多くの企業は業績低迷に見舞われ、それに伴って賃上げされることが無い時期が長く続いていた。

そんな中アベノミクスの影響からか各企業の株価や業績が向上し、それに伴って今年の労使交渉では大企業の間で賃上げの決定が相次いだ。

この一連の流れに対しては経済が循環するための起爆剤となるだけでなく、日本を包んでいるデフレ脱却への大きな力きっかけになるとする一方で、4月の増税や社会保障の負担増を考慮した場合にはまだまだ家計における負担の割合(所得増によって各種税金の控除や高校無償化の恩恵を受けられなくる)が大きいことに変化が無いという指摘や、増える非正規雇用者への賃上げは不透明であること、ベア(ベースアップ)を公表した企業は一部の大企業であることから大多数の中小企業で働く労働者は賃上げの恩恵を受けないといった声もある。

実際に大多数の企業では賃上げとなっていないものの、各メディアでは大手企業の賃上げの報道のみが強調されていることから各種報道の内容と大衆の感覚の間には大きなギャップが生じている(メディアでは王将フードサービスの月10000円の給与増がクローズアップされている)。

月に給与が数千円増えたとして生活にどのような変化があるだろうか(税負担が増えることを考慮した場合)。実際には社会保障等の負担増を打ち消してしまう程度でしかなく、景気回復や生活水準の改善には程遠いものだ(考えられることは一時的な株価の上昇だけだろう)。
The hand that will rule the world 大企業で続々と賃上げが発表されるも厳しい実態は変わらず。
そして労使交渉最大の注目点は労働組合の存在である。何故ならば労働組合が存在しない企業の数は決して少なくはないため、現実にはベア交渉すら出来ていない労働者たちが多く存在しているからだ。