映画「スターウォーズ」のロケ地として使われた場所が徐々に消滅の危機にさらされているという。
危機にさらされているのはチュニジア南部の町
トズール(Tozeur)。映画の中で惑星タトゥイーンのモデルの1つとなり、実際にロケ地にも選ばれ、使った設備や衣装が今もなお展示され、多くの観光客で賑わう場所である。
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トズールは、スターウォーズの主人公であるアナキン・スカイウォーカーの故郷でありルーク・スカイウォーカーが育った星である惑星タトゥイーンのロケ地となった。
ヨーロッパ諸国からは地中海を挟んで目の前であるため、多くの観光客が訪れる。
そんなこの町が消滅の危機にさらされている理由は急激な砂漠化である。CNNの報道によると、砂漠化の進行はとても早く、1日に約4cm(年間約13m)という驚異的なペースで砂丘が動きロケ地や周囲の町に迫っているという。
このままではロケ地が砂に埋もれてしまうことは避けられないが、砂漠化を止めるのはとても難しく、現在の技術ではあくまで進行を遅れさせること(早急な植林など)しか手段がない。
チュニジアの場合は2011年のジャスミン革命で独裁政権が崩壊した後も、思うように経済的な復興が進まず、懸念されてきた砂漠化の進行に対する有効策を講じていないのが現状だ。
そして、スターウォーズのロケ地を目当てに訪れる欧米の観光客が落とす外貨が貴重な財政資源となっていることから、砂漠化によって観光地が打撃を受け、貴重な外貨獲得手段が減ってしまうという懸念もある。
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砂漠化は世界中で、特にユーラシア大陸とアフリカ大陸で多く見られる現象である。原因の1つに人間による森林の伐採があり、植物が減り大気中の温室効果ガスが増えるだけでなく、人間の住む場所が減っていくという被害もある。
また、砂漠化には自然現象としての砂漠化もあり、人的要因でなく地球の環境の移り変わりの一環としての砂漠が広がることで、原因が特定できずに対策が困難な場合もある。