多くの就活生たちにとって人生の岐路と認識されている就職活動。
毎年多くの学生は就活を煽られ、就職できなければ未来は無いといった不安を持つようになってしまうのだが、その不安を利用した悪質なビジネスが横行している。
就活商法と呼ばれるこれらのビジネスは今後日本全国で大きな波紋を呼ぶことになるだろう。
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これはリクルートスーツを着て街中を歩く学生や大規模な合同会社説明会会場の周辺で(時間帯や見た目でおおよそ学生との判別は可能)アンケートを持ちかけることから始まる。
アンケートの内容は就活の姿勢などに関わるもので、どのような回答した場合にも最終的に就活塾の勧誘や高額な就活教材を販売する方向に話を進め、結果的に高額な契約を結ぶというものである。
勧誘の際に
「契約しなければ就活に勝てない」
「他の人はみんなやっている」
「セミナーを受講すれば必ず就活で勝てる」
「人生の敗者になってもいいのか」
というような就活生の不安を逆手に取った言葉を投げかけてくることが多くの就活商法に見られる共通点で、就活での不安を指摘された学生の中には咄嗟に冷静な判断が出来ないまま契約に至ってしまう場合がある。
現在はあまり大きな問題として認知されていない就活商法であるが、多くの大学や自治体ではそれらの存在を学生たちに呼びかけている。
仮にそれらしきものと契約してしまった場合でもクーリングオフ制度(頭を冷やすいう意味合い)が存在するため、相手側からの一方的な契約を解除することが出来ると法律によって定められている。
全ての就活商法が悪質とはいえないものの、その多くは就活生たちの不安を煽ったもので、霊感商法や宗教の勧誘のように実体のないビジネスに近い性質を持っている。
若干性質が違うものの、就活という単語を付けることで購買意欲を煽る方法も存在している。
就活用鞄
就活用革靴
就活用腕時計
就活用ボールペン
就活用メモ帳
就活マニュアル(内容はどれも同じ)
今後大きな社会問題になる可能性を十分に秘めているこの就活商法。性質が悪い点はそのターゲットが学生だけでなく親の世代にまで広がっていることかもしれない。
実際に書店に行けば「子供を就職させる方法」といったような本が大量に並べられている。これは就活商法のターゲットが親にまで広がっていることを意味する(親たちは学生よりも金銭的に余裕があることや、子供の為ならば多少の出費をすることを厭わない場合が多いことが原因)。
新卒一括採用のため多くの学生のスケジュールや行動パターンが把握しやすいこと、就活戦線が過酷になり藁にも縋る思いの就活生が増えていることから適切な時期にその心理を突くだけで大きなビジネスチャンスとなる。
就活生は物事を冷静に判断して安易な言葉には乗らないこと、不審な点は学校や自治体に問い合わせるなどして少しでも被害が減るように心がけるのもいいかもしれない。
どのような場所にも、特に多くの人が動く場所にはビジネスがある。これを覚えておくだけでも意識は変わるだろう。