オーストラリア南東部・南西部・タスマニア島に分布し、パルプの原料やコアラの餌として欠かせないものとなっているユーカリの木。
オーストラリアの代名詞のようなこのユーカリの木、実は「黄金のなる木」であったと発表された。
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この衝撃の事実を発表したのはオーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)の研究チームで、ユーカリの葉の中に極微量ではあるが金が含まれていると発表した。
実はユーカリの葉に金が含まれているということは以前から知られていたが、果たして何処から金がやってきたのかわかっていなかった。
そして、金の存在を調査するきっかけは
「ユーカリの葉が金色に光っている気がする」
というなんとも単純なものだった。
金がユーカリに含まれる可能性として、乾燥した地域の砂が風に巻き上げられ、砂の中に含まれる金がユーカリの葉に付着した可能性と、地中の金を吸収して成長した可能性で意見が分かれていた。
このたび、新たな実験方法として西オーストラリアのゴールドフィールズ・エスペランスと呼ばれる地域に存在する金の採掘現場の身の前にあるユーカリの木と、別間場所のユーカリの木を比較。
さらに確証を掴むために、金を混ぜた土と、普通の土で別々にユーカリを育て経過を観察した。
その結果、金を含んだ土で育ったユーカリからは金が検出され、普通の土で育ったユーカリからは金が検出されなかった。
このことから、金を含む土で育ったユーカリの木は金を含むことが証明されることになった。
ユーカリの木の中でも特に葉っぱの部分に多くの金が含まれていたことから、金はユーカリにとって有害物質で、それを体外に排出するために葉っぱの部分に金の物質が回ってくると考えられている。
ここで疑問に上がることは、ユーカリが金を含むなら他の木は何故含まないのかということだろう。
その答えはユーカリの特徴にある。ユーカリの根はとても長く、自身の3倍近い根を生やすことから金が眠っている地層まで根が届くことが多い。一方他の木では根っこが短いために、金が眠る地層まで根が届いていないために金を含むことが無いのだ。
ユーカリに含まれる金の量は葉っぱ1枚に対してその重さの
0.000005%
約2000万分の1の量である。多いと見るか少ないと見るかは人それぞれだろう。
ちなみに、この実験を行ったゴールドフィールズ・エスペランス(Goldfields-Esperance region)は、金やニッケルなどの鉱物がたくさん採掘される場所として有名で、この実験結果により、ユーカリを調べれば新たな金鉱が発見出来ると期待されている。