イギリスで強力な耐性を持つネズミが出現し始めたというニュースが世間を賑わせている。
どうやらこのネズミはこれまでに確認されていたネズミとは一線を画すようで、なんとあらゆる駆除剤に対する耐性も持っているという。
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このあらゆる耐性を持ったネズミは通称「スーパーラット」と呼ばれ、イギリス南東部のケント州、サセックス州で確認されている。
このネズミは、これまで駆除剤として機能していた毒餌に対する耐性も持っていて、それら駆除剤を餌として食べ、逆に繁殖してしまっている事態に発展している。
どうやらケント州周辺ではすでにこのスーパーラットが1000万匹を超えて繁殖していると見られ、今後は早急な対策をしなければさらに繁殖のペースが上がってしまう懸念がある。
日本ではネズミの大量発生はあまり馴染みが無いが、ヨーロッパ諸国の場合は話が変わる。
それは、ネズミの大量発生が原因でペスト(日本では黒死病と呼ばれる)という病気が流行り、14世紀にはヨーロッパで大流行して全欧州人口の30%が命を落としたという歴史があるからだ。
死亡率は50%~100%(感染した場所によって変わる)。
現在はほとんど名前が聞かれないペストだが、
実は撲滅したわけではない。
今なおインドなどではその存在が確認されているため、ヨーロッパ諸国にとっては何が起爆剤となって再びペストが流行するか推し量り切れない懸念がある(現在は適切な処置で死亡率は20%を切るとされているがそれでも十分危険である)。
今回ニュースとなっているスーパーラットが繁殖すると(スーパーラット特有の危険性ではないが、多くの耐性を持つために必然的に数が増えて脅威となる可能性が増える)、再びペストが流行する可能性や、また新たな病源菌出現の可能性もあるのだが、現状では駆除剤と耐性のイタチごっこであるようだ。