オーストラリアで信じられない出来事が起きた。
オーストラリア南西部の街ケープアリッド。その沖合でアワビを捕るために潜っていた男性(55)がホホホジロザメに襲われ、顔や肩など複数か所に大ケガをした。
なんとこの男性、ホホジロザメに襲われるのはこれで2回目になるという。
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被害者であるグレッグ氏は8日、アワビを捕りに海に潜ったところをホホジロザメに襲われた。
上半身に攻撃を受けたグレッグ氏は近くでボートに乗っていた仲間に救助され、病院で10時間にわたる手術を行い容体は安定しているという。
また救助の際に衛星電話を使用したために救急車や病院が素早く対応でき、結果的に被害を最小限にとどめることができた。
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このグレッグ氏、実は2004年にホホジロザメに襲われ、その際にも生還したという経緯を持っている。このように同じ人物が2度までもホホジロザメに襲われてなおかつ生還する事例は珍しく、恐らく世界初の出来事でないかと思われる。
日本でも松島トモ子がライオンに噛まれ10日後にヒョウに噛まれるという事態が発生し、ニューヨークの学会で極めて珍しい事例として発表された経緯がある。
一般的に人間がサメに襲われる確率はとても低く、海での事故は落雷による被害の方が多い。一説には宝くじに当たる確率と同等か、それ以下といわれている(隕石と雷では隕石の方が死亡率が高い)。ちなみに、ホホジロザメの被害はアメリカ西海岸やオーストラリアなど特定の地域が多い。
今回グレッグ氏を襲ったサメはホホジロザメとみられている。
ホホジロザメはジョーズのモデルにもなり、極地周辺以外の世界中の海に生息し、魚類では地球上でも最強で人間にとってサメといえばこのホホジロザメと思ってまず間違いないほど代表的な種である。
ホホジロザメは非常に行動範囲が広く(南アフリカとオーストラリアを周回するほど)狩りの失敗経験から学習することがあるなど知能がとても高く25-35 kmの高速スピードで泳ぎ、数十km先の血の臭いを嗅ぎ付けることができる。
ホホジロザメの歯の画像 外側向き
ホホジロザメの歯の画像 内側向き
このように、ノコギリ状の鋭い歯を持ち、強大な顎の力と、獲物を襲うときに顔を左右に振る力がそれぞれや要することで獲物の肉をいとも簡単に切り裂き失血を招き、それが致命傷となる。また、人間がホホジロザメに襲われた場合の死因のほとんどが失血死である。
映画ジョーズの影響で悪の烙印を押されて乱獲されたために、世界中で個体数が激減し(そのためにスピルバーグはホホジロザメの保護を訴えている)、現在はワシントン条約で絶滅危惧II類(絶滅の危険が増大している種)に指定され、カリフォルニア州などでは陸揚げ禁止などの保護措置が取られているため、今後は世界中でホホジロザメに対する規制は強まっていくだろう。
サメの顎骨(がいこつ)や歯はとても多く市場に出回っているがホホジロザメのそれはとても希少であまり流通していないだけでなく、需要もあるために値段も高額である。世界的な個体数減少や取引の規制によって、今後はさらに貴重なものになるだろう。